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【久米信行新刊】Q4-1:否定されるのが怖い

投稿日時:2009/03/01(日) 11:33rss

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q4-1:否定されるのが怖い
A4-1:受け流し、跳ね返し、転じていく


 「何か言うと笑われそう」
 「みんなが白い目で見ている」


 奥ゆかしい日本人の多くは、無意識のうちに「集団に合わせようとするDNA」を持っているのかもしれません。ですから、必要とあらば「出る杭」になることを厭わない私でさえ、新しい集団に入った時には、ついつい人目を気にして緊張してしまうのです。

 もちろん、集団の調和を重んじること自体は、コミュニティを維持したりチームワークを円滑にしたりするのに必要な「美徳」のひとつかもしれません。しかし、集団優先の思考が過剰になって、全員が「ことなかれ志向」「思考停止」に陥ると、今度は組織全体が「変化への適応力」を失って危険な状態になります。

 私が証券会社の営業本部で体験した「バブル崩壊」の直前は、まさにこうした状況でした。誰もが浮かれて、株価上昇の「宴」が永遠に続くような共同幻想を抱いていました。もちろん、おかしいと思った人もいたのでしょうが、誰も言いださないままに暴落へと突き進んでいたのです。

 だからこそ、真のリーダーは、多くの同僚や関係者に否定されることを恐れず「勇気ある直言」をする人を常に探し求めています。そして、自分の側近になってほしいとさえ願っているはずです。

 とはいえ、組織の存亡をかけた「ここぞという時」こそ、誰もが聞く耳を持たない時でもあります。そんな時に、いきなり直言するのは難しいことです。

 ですから、常日頃から、小さな勇気を出して「白い目」を浴びても動じないレッスンをしておく必要があります。「受け流す」「跳ね返す」「転じる」という3つのステップで上達するレッスンを積んで、ここぞという時に備えておきましょう。

1.「受け流す」一定割合の批判を自然の摂理とわきまえて気にしない

 多くの先人が経験則で伝えるように、どんな意見に対しても、平均すれば「2割は賛成、2割は反対、6割はどちらでもない」という割合に落ち着くでしょう。先鋭的な意見であれば、賛成派が減ったり、意見表明が控えられるかもしれませんが、大きくはブレないものです。

 面白いことに、私が経験の浅い若手サラリーマンだった時も、現在の実績を積んだオーナー経営者になった今も、何かを新しいことを言いだした時の「白い目」の割合は、あまり変わらないということです。

 うまく行ったらうまく行ったで、もっと先を行く「過激な意見」を言うからかもしれません。また、実績を積んで成功したからこそ、これまでとは違う「嫉妬」を浴びてしまうこともあるでしょう。

 ですから「自分がダメ」だから白い目を浴びるのではなく「自然の摂理」とはそういうものだと納得すれば安心です。「いつでも一定割合は批判に回る」のだと心しておく必要があるのです。

 だとすれば、「白い目」を、いちいち気にしていても仕方がありません。特に2割の厳しい反対は「受け流す」ことで、2割の賛成意見に「素直に耳を傾ける」ことができるのです。

2.「跳ね返す」あえて変人であることを誇って定評にする

 批判を「軽く受け流す」ことができるようになったら、今度は「確信犯」として、人と違ったことを堂々とする「変人」を目指してみましょう。

 最初は、「変人」を目指すのは「大変な難行」に見えるかもしれません。周囲から、白い目ばかりか、ちょっとした抵抗にも合うでしょう。

 しかし、「変人」暦の長い私の経験では、日本はひそかに「確信犯の変人」に「寛容」な社会です。3ヶ月も変人を続けていると、「あの人は変人だから」と定評が広まって、やがて抵抗がなくなってくるのです。日本特有の集合無意識が、ひょっとしたらみなさんの「覚悟」を試している。そんな試用期間なのかもしれません。

 まずは小さなことから始めましょう。

 例えば、20年近く前に私は丸の内の証券会社の本社に自転車通勤を敢行していました。今では当たり前の自転車通勤ですが、当時は、盗まれないように車輪を1つもってオフィスに入る私を見る目は、変人を見るそれでした。

 また、オフィスビルでの内勤と地下でのランチでは日照時間と運動が足りないことに気づいて、デパートの地下でお惣菜を買って日比谷公園での「おひとり散歩ランチ」を楽しむ生活に切り替えました。もちろん「付き合いの悪いやつ」と白い目を集めましたが、そのおかげでリフレッシュできたため様々なアイディアが浮かびました。

 不思議なことに、3ヶ月ほどで、みんなも「変人ぶり」に慣れ、私自身も「変人と扱われること」に慣れました。そして無意識のうちに、これまでにない潜在的なパワーが私の底から湧きあがるのを感じました。「変人を貫く」ためには、仕事もそれ以上にこなさねばという「跳ね返す強さ」が生まれたからでしょう。

3.「転じる」批判した人ほど最後は応援してくれるありがたさを知る

 こうして「変人」と呼ばれることを厭わず、新しい試みをいくつも試して続けていくうちに、少しずつ流れが変わってくることを体験するはずです。また運良く成功に恵まれることもあるでしょう。

 ここで大切なのが「転じる」心得です。むしろ、当初は批判していた人こそ、積極的に仲間に迎え入れて、成功の果実を分かち合う大きな気持ちが大切なのです。

 もともと批判していた人たちも、みなさんのことが嫌いだったわけではなく、慣れ親しんだことを変えるのが嫌だっただけかもしれません。だとしたら、ひとたび方針が決まったら、誰よりもまじめに辛抱強く守り続けてくれる、応援してくれる=転じる可能性が高いのです。

 これは単なるポジティブ・シンキングではありません。ポジティブが良くて、ネガティブが悪いと考えるのは、「人間の狭いはからい」です。時間の経過と共に、陽転するものもあれば、陰転するものもあるのが「自然の姿」なのです。

 例えば、当初から応援してくれた賛成派の中に、過度に慢心をしたり手柄を自分のものにする人や、多くの人を仲間に巻き込む人のを嫌う人も出てくるものです。こうしたことを嘆いたり怒ったりすることなく、当初の賛成派が調和を乱す方向に「転じる」影響を小さくすることが大切です。ですから変化に先んじて、次の課題に一緒に挑戦するといった気配りをしましょう。

***

 こうして、新しいことが始まって形になっていくプロセスを一度でも経験すれば、人生観が変わります。その時に起こる「人の心の大きな変転」の経験則が見えれば、そこであえて「変人を演じる」自分の役割やその意味もわかるからです。

 一時の否定は、この大きな流れの中の、小さくて瞬間的なプロセスに過ぎません。それを恐れずに行動する人こそが、やがて大きな流れを作り出すのです。

【バックナンバー】
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 ◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
 ◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
 ◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
 ◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
 ◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
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 ◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
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 ◎Q3-4:うまくメールや手紙が書けない
 ◎Q3-5:相手の気持ちを動かせない
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久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部  

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