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2009年02月11日(水)更新

【久米信行新刊】Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
A2-5:努力の成果を気前よくシェアしていこう


 「ちょっとぐらい成果が出たからって....」「なにか勘違いしているんじゃないか」


 ビジネスの世界に限らず、日本の社会は「嫉妬社会」だと言われることが多いようです。誰かが、にわかに巨富を得たり、地位や名声を手にしたりすると、決まって「妬んだり」「憎んだり」する人が増えて、足を引っ張られるというわけです。

 また、マスメディアは「時の人」を持ち上げては、ある時容赦なくたたき落とす傾向がないとも言えません。しかも、影響力を増すネットメディアでは、ブログの炎上や2ちゃんねるでの誹謗中傷が待ち構えています。

 こんな嫉妬社会にあっては「目立って注目されるのは嫌だ」と思う人が増えてしまうのも無理はありません。そこで、「調子に乗る」というより「波に乗る」ことを目指した、実力に応じた「安全な目立ち方」を考えましょう。


1.努力の成果を独り占めしないで分かち合う

 何より大切なことは、自分が努力して手にした成果であっても、同僚など身近な人たちに積極的にシェアすることです。独り占めしようとする狭い心は、周囲の嫉妬を生む源泉だからです。例えば、自分が開拓した取引先でさえ、時には仲間と分かち合い、しかも恩に着せずに忘れてしまうとしたらどうでしょう。感謝されこそすれ、妬まれることは少ないはずです。


2.調子がよくなるコツを広く公開する

 さらに、自分が調子をつかんだ極意や、好調のもととなった手法なども、可能な限りオープンにしたいものです。私は、10年前からIT活用の講演を続けてきましたが「なぜここまで教えてしまうのか」とよく聞かれます。もちろん、競合会社に真似をされてしまうリスクもありましょう。しかし、それ以上に「情報公開でファンを増やして、嫉妬を浴びない」方が、長期的にはメリットが大きいと思うのです。


3.波に乗る人たちのコミュニティに参加する

 自分以上に調子に乗っている....「波」に乗っている人の近くで一緒に仕事をすることは、とても大切な経験です。楽しそうにバリバリ仕事をしている人の背中を見ることが、何よりも勉強になるからです。また、そんな人たちは、嫉妬もしなければ、周囲で高まる嫉妬も気にせず、ただ前に進みます。とりわけ、波に乗る人たちが集う異業種の勉強会に参加すれば、自分だけで抱えていた小さな悩みは吹き飛び、大きな勇気をもらえることでしょう。


4.公益活動にも積極的に参加する

 ビジネスで成果を挙げるようになったら、体と心のバランスを取るために、公益活動にも挑戦すると良いでしょう。企業や自分の利益のためだけに仕事をしていると、人から妬まれるばかりか、どこか空しさをおぼえるからです。私も企業経営に勤しみながら、縁あって日本財団、東京商工会議所などでのボランティア活動や、明治大学の兼任講師に汗を流しています。お金とは無縁の世界で仕事をすると清々しい気分になる上、周囲の人たちからも予想外の高い評価をいただけるのです。


5.名と実のどちらを取るかを考える 


 日本では「名=権勢」と「実=富」の両方とも手にすることは、なかなか許されません。これは、徳川幕府が、権力はあるが富はない譜代と、富を持つが権力の無い外様とのバランスで治世して以来という人さえいるのです。私の場合は、構造不況業種の中小メーカー経営者ということで、「名」も「富」も知れています。だからこそ、ある程度目立っても、今のところ許してくださる人が多いのかもしれません。しかし、公職に近いところを目指すならお金にきれいに、お金を稼ぎたいなら公職に欲をかかないことが大切です。


【バックナンバー】
 ◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
 ◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
 ◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
 ◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
 ◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
 ◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
 ◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
 ◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
 ◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
 ◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
 ◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
 ◎Q2-6:評価軸がわからない
 ◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない

久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部  

2009年02月11日(水)更新

【久米信行新刊】Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
A2-4:過去を超える成果を生み出す動機にしよう


 「自分だけ目立つと嫌われそう」「成果を独り占めする上司みたいで嫌だ」


 総じて、日本のビジネスパーソンは「自分の業績をアピールするのが苦手」かもしれません。それは、子供の頃は学校で、成人してからは職場で、「出る杭は打たれる」という経験則が身にしみているからでしょうか。それとも、良い事をしても黙っている「陰徳の教え」を守っているからでしょうか。

 たしかに、「自分が」「自分が」と自己主張ばかりが強い人は「同僚や友人に嫌われやすい」でしょう。私もそんな人は苦手なのですが、社長や講師という立場上、自分自身もそうなりがちなので気を配っているのです。

 とは言え、そんな慎み深い日本の社会にあっても、スマートに自己PRをしていかなければステップアップにつながる出会いやチャンスにも恵まれません。そこで、私がいつも心がけている実績アピールの7か条をご案内いたしましょう。
1.おかげさまで一言添えて縁と運に感謝する

 成功を重ねている人ほど、謙虚なのは不思議なことです。おそらく、自分の努力の成果だけではなく、縁や運に恵まれたことのありがたさを痛感しているからでしょう。だからこそ「おかげさまで」という一言を、たびたび口にされるのです。そんな先輩を見習って、自分の実績について話す時にも、必ず「おかげさまで」の一言を添えましょう。


2.一緒に参加協力した人のことを紹介して褒める

 どんな実績であれ、自分ひとりの力だけで勝ち得ることなどないでしょう。チームワークやパートナーシップを無視して、独力で成功したと発言している人は「思い上がっている」ようで見苦しいものです。だからこそ、協力してくれた方々のことを積極的に紹介して心の底から褒めて感謝しましょう。


3.手痛い失敗の経験も隠さずに話す

 はた目から見れば、成功ばかりの輝かしいキャリアに見えても、その裏には何倍もの失敗が隠されているはずです。そんな泥臭くて恥ずかしい失敗談を「進んでオープンにする」ことが大切です。多くの人は、美化された成功の話よりも「つらい失敗談」に共感するはずです。そして真の人間味が伝わって親近感をおぼえてくれるでしょう。


4.成果よりもプロセスと学びについて話す

 成果だけをとうとうと聞かされても、ただの自慢にしか聞こえません。また、聞いている人にも「得るところが無い」でしょう。ですから「どんな工夫を積み重ねたか」「何が成功の要因だったか」という、プロセスや学びについて話に盛り込むことが大切です。相手にとっての情報価値が高まる上、ご自身の向学心、現場対応力、業務改革力などをさりげなくアピールできるでしょう。


5.詳しくはブログやwebなどに記して話さない


 どんな含蓄のある話でも、微に入り細に入り延々と話しては、相手も疲れます。むしろ「聞き足りない」「もっと聞きたいぐらい」がちょうどいいでしょう。そんな時に役立つのは、詳しい経歴や考え行動の変遷などを書きつづった個人ブログやWEBサイトです。お礼メールの中に「詳しくはこちらえご高覧ください」と、URLリンクで誘導すれば、興味のある方だけ読んでくれるはずです。


6.これから実現したい大きな夢について話す


 過去の成功ばかりを自慢気に話す人は嫌われます。それは、心が老いている証のようにも見えるからです。しかし、過去の実績についてはさらりと流して、これから実現したい夢も合わせて語れば印象が変わります。昔の成功体験にしばられずに、常に前を向いて挑戦している姿勢こそ、リーダー層の大きな共感を呼ぶはずです。


7.一緒に仕事をしたい人にだけ実績をアピールする


 自分の実績を、すべての人に積極的にアピールする必要はありません。また自慢かとあきれられたり、むやみに敵を増やしてしまうのがオチです。ほとんどの人には、聞かれたら「さりげなく話す」ぐらいでちょうどいいでしょう。逆に「この人からは学びたい、一緒に仕事したい」と感じる達人と出会ったら、その時こそチャンスです。真摯に自分の歩んだ道と夢について語りましょう。


【【バックナンバー】
 ◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
 ◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
 ◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
 ◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
 ◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
 ◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
 ◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
 ◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
 ◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
 ◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
 ◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
 ◎Q2-6:評価軸がわからない
 ◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない

久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部  
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