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2009年02月27日(金)更新

【久米信行新刊】Q3-5:相手の気持ちを動かせない

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q3-5:相手の気持ちを動かせない
A3-5:自分から素直に動く。額と脳に汗をかく


 「何を話しても良い反応がない」
 「自分の力では感動させられない」


 知識も経験も豊富な目上の方々に感動してもらうのは、たしかに大変なことです。言葉だけのお世辞や小手先の技術などは、すぐ見破られてしまうからです。

 しかし、よく考えてみますと、あの手この手で「人生の先輩の気持ちを動かそう」とすること自体が「思い上がったこと」なのかもしれません。動くべきは「相手」ではなく「自分」であり、「心」を動かす前に「体」を動かすことが求められているのです。

 「素直になりなはれ」


 パナソニックの創業者 松下幸之助翁は、社員や松下政経塾の教え子たちに、そう繰り返したそうです。言い換えれば「上司に言われたことをすぐに実践する人」がいかに少ないかということでしょう。私も明治大学で教えて驚いたのは、言われた通りに「すぐやる」人が少ないことでした。

 また松下翁は「大忍」と書いた色紙を掲げて、成功のコツは成功するまで失敗を重ねることだと教えたとも聞きます。何回か失敗するだけで諦めてしまう人が、それだけ多いということでしょう。

 教えを受けても、ちゃんと理解する人は10人に1人かもしれません。それを実際に試してみる人は、理解した10人の中のまた1人でしょう。そして、試した後も成功するまで続ける人は、さらに10人に1人ということもありえます。教えを受けても、最後までゴールできる人は1000人に1人という低い確率になってしまいます。

 例えば、私のブログ起業論の意義を理解して、当初受講してくれる人は全学部を合わせても数十名しかいません。そして、ブログや発表を1年間続けて私の希望通りにゴールしてくれる生徒は数名といったところなのです。たった1年弱ガマンして続けるだけで、本人も驚くほど「見違える」のに残念でなりません。
 
 だとすれば、指導的な立場にあるリーダーたちが「どんな若者のどんな行動に心を動かされるか」は明らかでしょう。

1.言われたことは素直にやってみる

 目上の人から「やってみた方がいい」と進言されたら、自分の頭で考える前に「素直」に行動に移しましょう。さらに、面談中のさりげない発言や、著書などの記述の中で、これは「自分に役立つアドバイス」だと感じた一言は、ぜひ書き留めて、すぐにチャレンジしてみましょう。


2.やりだしたら成果が出るまで続ける

 行動に移した途端、すぐにうまくいくことなどほとんどありません。期待されていればいるほど、難しい課題を出されるはずなのです。だからこそ、3日3ヶ月3年の壁を乗り越える心意気で、じっとガマンしながら「額に汗して」続けていくこととが大切です。


3.報連相をしながらも独自の知恵を忘れずに


 うまくできてもできなくても、こまめに途中経過を報告することが大切です。その時、安易に泣き言をこぼしたり、助言を求めてはいけません。あくまでも、自分の頭で「なぜうまく進まないのか」考えぬくことが重要です。「脳に汗をかくこと」が求められているからです。


4.成果が出たら多くの人ができるよう伝える

 
 成果が上がったからといって、自分の手柄として自慢しているひまはありません。今度は、自分以外の多くの仲間も成果を得られるように、もういちど額と脳に汗して知恵を共有する必要があるからです。誰もができるようにわかりやすく伝えて、感謝される喜びを味わいましょう。


5.また新しいことに挑戦してみる

 1つの難題をクリアできたら、休まず「次のチャレンジ」を始めましょう。この時に、リーダーや心の師に、決意表明と報連相をすれば、きっと「心を動かしてくれる」に違いありません。自分の小さな助言を生かして、努力と工夫を重ねて見事に形にしたからです。それだけでなく、多くの人とノウハウと感動をも分かち合ったのです。そんな粘り強い行動派の若者たちに拍手を贈らないリーダーはいないのです。


【バックナンバー】
 ◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
 ◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
 ◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
 ◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
 ◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
 ◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
 ◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
 ◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
 ◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
 ◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
 ◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
 ◎Q2-6:評価軸がわからない
 ◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない
 ◎Q3-2:自分より優秀な人とどう付き合えばよいかわからない
 ◎Q3-3:自分が認めた人にだけ認められたい
 ◎Q3-4:うまくメールや手紙が書けない


久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部  

2009年02月27日(金)更新

【久米信行新刊】Q3-4:うまくメールや手紙が書けない

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q3-4:うまくメールや手紙が書けない
A3-4:すばやく、短く、心をこめて「ありがとう」


 「どうやって書いていいかわからない」
 「かえって嫌われてしまうのではないか」


 大学の講義や社員研修で驚くのは、若い人たちの多くが「手紙をまともに書いたことがない」ことです。何でもメールやケータイで簡便に済ませる風潮の中では、無理もないことかもしれません。

 実は、私自身も社会人になるまでは、ほとんど手紙を書いたことがありませんでした。しかし、ありがたいことに、社会人生活のスタートを切ったイマジニア株式会社で、恩師 神蔵 孝之社長から、徹底的に「手紙道」を仕込まれたのです。神蔵社長は、松下政経塾の出身ということもあり、新人の私たちにお礼状の大切さを教えてくださいました。

 その後、eメールが、手紙、電話、FAXにとって変わって、連絡手段の主役に変わる社会になりました。しかし、拙著「メール道」で詳しく書きました様に、いかに無味乾燥なメールに血を通わせても限界はあります。むしろ、手紙の重要性はむしろ増しているのです。

 そこで、神蔵社長をはじめとしてお礼状達人の先輩から教わった手紙やメールの心得をご紹介しましょう。

1.素早く出すほど喜ばれる。時間が経つほど効果が薄れる

 お会いしたその日のうちにお礼状を出した時の効果が100だとしたら、翌日になると半分の50、その翌日にはまた半分の25と減っていく。だからお礼状は早く出すようにと、神蔵社長から仕込まれました。感動さめやらぬうちに出せば心がこもるでしょうし、受け取った方の印象も鮮やかなはずです。
 
2.大切な人宛て、特別な時は、筆文字で手書きの手紙で
 
 まったく同じ文面であっても、ワープロの手紙と手書きの手紙、それも筆文字の手紙とでは、大きく印象が大きく変わります。メールが全盛の時代だからこそ、ていねいに記された手紙の方が、しっかり心に残ります。ですから、ここぞという時には筆ペンを手にして熱い想いを手紙にしたためたいのです。

3.美しい便せん、絵はがき、記念切手で、おもてなし

 せっかくの手書きの手紙も、ありきたりの便せんや官製はがきで出しては興ざめです。大きな文具店やミュージアムショップなどで、美しい便せんや絵はがきを買い集めておきましょう。それから、珍しい柄や楽しいデザインの記念切手を買い求めて貼れば、特別な手紙として印象づけることができます。

4.いつでも最初は「ありがとう」最後は「ご高導ください」

 どんな内容の手紙であれ、ごあいさつの後は「ありがとう」で始まります。「いつもご指導ありがとうございます。」「先日は貴重なお話をありがとうございました。」このように「ありがとう」で始める手紙は、書く人も読む人も気持ちのよいものです。そして、私の手紙は、いつもこう結ばれます。「今後ともご高導の程よろしくお願いいたします。」

5.相手の魅力と感動したことを「具体的」に伝える

 感謝の言葉の後には、どこに感激したかを具体的に伝える一文を添えることが大切です。「○○という言葉に感激しました」「□□の教えを守ります」このように面談や著述の中で印象に残ったことを書き記してくれれば、喜びもひとしおです。それが、話し手が意図したことであれば、きちんと聴いてくれた証明になるからです。また、予想外のことであっても、それは話し手が気づかなかった魅力を発見してくれたことになるので喜ばれるでしょう。

6.一番伝えたい一言が明確ならば、短くても伝わる

 手紙もメールも、ただだらだら長い文面は禁物です。書けば書くほど、何が一番伝えたいことなのか不明瞭になることも少なくありません。ですから「お礼」なのか「面談希望」なのか、はたまた「売り込み」なのかメッセージを明確にすることが大切です。そして、伝えたいことは「しっかり一言で」伝えましょう。

7.メールマガジンは毎週出す「ラブレター」×「お礼状」

 きちんと、ていねいな筆書きのお礼状を出して、メールやブログのやりとりもできる関係が築けたら、次はご許可をいただいてメールマガジンをお出ししましょう。メールマガジンが優れているのは、一人に発信するのとほとんど同じ手間で、100人にでも1,000人にでも情報をお届けできることにあります。出そうと思えば、毎週でも、あるいは毎日でも近況報告を兼ねたラブレターを出すことができるのです。

***

 私も、これまで出会った1,200人強の縁者に、お礼状やお礼メールを書いて、その後でメールマガジンをお送りしてきました。長いおつきあいの縁者には、10年以上にもわたり、感謝を込めて送り続けてきたことになります。こうした手紙やメールがなかったら、縁者との交遊も広がらず深まらず、きっと私の人生はつまらないものになっていたでしょう。


【バックナンバー】
 ◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
 ◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
 ◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
 ◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
 ◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
 ◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
 ◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
 ◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
 ◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
 ◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
 ◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
 ◎Q2-6:評価軸がわからない
 ◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない
 ◎Q3-2:自分より優秀な人とどう付き合えばよいかわからない
 ◎Q3-3:自分が認めた人にだけ認められたい

久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部  
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