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2009年03月19日(木)更新
【久米信行新刊】Q5-5:人見知りだけど、仲良くなりたい
10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
ぜひコメント、トラックバックをお寄せください。
Q5-5:人見知りだけど、仲良くなりたい
A5-5:一見元気な大人物ほど人見知りが多い
「人前に出ると自分を出せない」
「本当は仲良くなりたいのだけれど」
色々言いたい事があっても、いざ、その人の前に行くと話せない。本当はもっと仲良くなりたいけれど、その場限りになってしまう。
明治大学の教え子たちの多くは、そんな人見知りの若者たちです。しかし、不思議なことに1年間の講義と実習で、別人のように変わる生徒も少なくありません。
それは、色々な現場体験あるいは修羅場体験の賜物なのですが、中でも、尊敬する経営者などに接して「一対一で向かい合う体験」を重ねて自信をつけたことが一番の原因でしょう。
そして、学生たちは、人見知りも1つの才能であることに気づいたようです。
1.一見元気な大人物ほど人見知りで寂しがり
大人物は、一見すると根っから明るい、いつでも元気な人をイメージしがちです。しかし、実際に接して見ると、人見知りでシャイな側面もお持ちになっていることに驚くことがあります。
尊敬するイマジニア時代の師、神蔵孝之さんは、大人物から愛されるお人柄の持ち主でした。そして、私によく教えてくれたのは「偉大な人物ほど、さびしがり屋が多い」ということでした。それは社会人になったばかりの私にとっては大きな驚きでした。
たしかに、大人物ほど、自分の周りにいる人はイエスマンかおべっか使いばかりが増えて、どうしても孤独になりがちです。近づく人は、自分の地位、権力、名前、お金などを利用しようとしている人ばかりに思えてきて、どうしても疑心暗鬼になるのです。
また、苦労を重ねた自分が見えている世界と、多くの人が見ている世界のギャップにも悩まされるでしょう。それなのに、外から「きらびやかなイメージ」で彩られて、「内面を見つめてもらえなく」なっていきます。
つまり、社会的に成功すればするほど、よほど留意しない限り、心から語り合える友人が少なくなってしまうのです。
ですから、大人物であっても、自分と相似形の悩み=「人見知りで本当の友人が欲しいと思っている」ことを知ることが、まずは大切です。そうして、素直に弟子入りする敬意と、一対一の生身で向き合う覚悟があれば、年令や地位・役職を超えた友情が芽生えることも珍しくないのです。
2.人見知りだからこそ相手の気持ちに響ける
さらに人見知りだと良いこともあります。一度、大きな病気に悩んだことがある人が、病気で苦しんでいる人に共感して優しくなれるのと同じように、人見知りをする人の気持ちが良くわかるのです。
20世紀型の同質化された大量消費、ハード中心の高度成長社会では、明るく元気な人ばかりでも良かったかもしれません。しかし、これからの一人十色の多品種少量消費、ソフト中心の成熟社会では違います。
人見知りの心の奥になる個性や独創性の中に、次代のヒントがあることも少なくないのです。大組織や同質社会では埋もれがちだった「静かな異質性」こそが、停滞した状況を動かす原動力になるのです。
あえて、大声で話しているメンバーばかりの話の輪にいなかったからこそ、人見知りだったからこそ、見えるもの、会える人があります。あえて中心にいる目立った人ばかりでなく「ちょっと変わった人見知りの人たち」に真摯な関心を寄せてみてはいかがでしょう。
3.人見知りだからこそずっと仲良くなっていたい
逆説的な言い方ではありますが、いつでも誰とでも友だちになれる人は、一生涯の友だちを作ろうという動機は小さいかもしれません。しかし、人見知りの人は、勇気を出して声をかけ、ようやく意気投合できた友人を、もっと大切にするはずです。
実は人見知りが激しい私も、メールやブログの助けもあって、幸運にも友だちを超える縁者がたくさんできました。しかし、今は、友だちの数が多いことは決して幸せなことではないとも感じています。
人生の時間も、自分の能力も限られている中では、緊密におつきあいできる友だちの数は限られているのです。それ以上、人数が多くても、かえって気遣いが増えたり、大切な親友に不義理をしたりして、悩みが増えてしまうからです。
また、既に長く親しくおつきあいをして、これから生涯にもわたってつきあいたい親友との関係を振り返ると、ふと気づくことがあります。それは、決して、毎週のように会ってオモシロおかしく過ごしているわけではないのです。
多くても月に1回、ひょっとしたら年に1回しか会わない人もいます。それでも、時々交わすメールやブログの力もあって、いざ会った時には、身近な人以上に親しみをおぼえます。そして、お互いの変化や進化を認めて喜び合った上で、大きな影響を与え合うこともできるのです。
***
人見知りは、決して恥じることでも嘆くことでもありません。むしろ、大きな影響力を持つ人、これから持つであろう人たちと「コミュニケーションしやすい特殊能力」だとも言えるのです。そのありがたさにさえ気づけば、自分の中にある大きな力が動き始めるでしょう。
【バックナンバー】
◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
◎Q2-6:評価軸がわからない
◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない
◎Q3-2:自分より優秀な人とどう付き合えばよいかわからない
◎Q3-3:自分が認めた人にだけ認められたい
◎Q3-4:うまくメールや手紙が書けない
◎Q3-5:相手の気持ちを動かせない
◎Q3-6:叱られると凹む
◎Q4-1:否定されるのが怖い
◎Q4-2:すでにその道で圧倒的な存在がいる
◎Q4-3:誰も自分のことを見てくれない
◎Q4-4:違う世代の人と話や興味が合わない
◎Q4-5:周りの反応がない
◎Q4-7:実力をつけてからデビューしたい
◎Q5-1:もともと前に出るような性格ではない
◎Q5-2:努力しても結果が出ない
◎Q5-3:「認められる自分」で居続けることに疲れる
◎Q5-4:誰も本当の自分をわかってくれない
久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部
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Q5-5:人見知りだけど、仲良くなりたい
A5-5:一見元気な大人物ほど人見知りが多い
「人前に出ると自分を出せない」
「本当は仲良くなりたいのだけれど」
色々言いたい事があっても、いざ、その人の前に行くと話せない。本当はもっと仲良くなりたいけれど、その場限りになってしまう。
明治大学の教え子たちの多くは、そんな人見知りの若者たちです。しかし、不思議なことに1年間の講義と実習で、別人のように変わる生徒も少なくありません。
それは、色々な現場体験あるいは修羅場体験の賜物なのですが、中でも、尊敬する経営者などに接して「一対一で向かい合う体験」を重ねて自信をつけたことが一番の原因でしょう。
そして、学生たちは、人見知りも1つの才能であることに気づいたようです。
1.一見元気な大人物ほど人見知りで寂しがり
大人物は、一見すると根っから明るい、いつでも元気な人をイメージしがちです。しかし、実際に接して見ると、人見知りでシャイな側面もお持ちになっていることに驚くことがあります。
尊敬するイマジニア時代の師、神蔵孝之さんは、大人物から愛されるお人柄の持ち主でした。そして、私によく教えてくれたのは「偉大な人物ほど、さびしがり屋が多い」ということでした。それは社会人になったばかりの私にとっては大きな驚きでした。
たしかに、大人物ほど、自分の周りにいる人はイエスマンかおべっか使いばかりが増えて、どうしても孤独になりがちです。近づく人は、自分の地位、権力、名前、お金などを利用しようとしている人ばかりに思えてきて、どうしても疑心暗鬼になるのです。
また、苦労を重ねた自分が見えている世界と、多くの人が見ている世界のギャップにも悩まされるでしょう。それなのに、外から「きらびやかなイメージ」で彩られて、「内面を見つめてもらえなく」なっていきます。
つまり、社会的に成功すればするほど、よほど留意しない限り、心から語り合える友人が少なくなってしまうのです。
ですから、大人物であっても、自分と相似形の悩み=「人見知りで本当の友人が欲しいと思っている」ことを知ることが、まずは大切です。そうして、素直に弟子入りする敬意と、一対一の生身で向き合う覚悟があれば、年令や地位・役職を超えた友情が芽生えることも珍しくないのです。
2.人見知りだからこそ相手の気持ちに響ける
さらに人見知りだと良いこともあります。一度、大きな病気に悩んだことがある人が、病気で苦しんでいる人に共感して優しくなれるのと同じように、人見知りをする人の気持ちが良くわかるのです。
20世紀型の同質化された大量消費、ハード中心の高度成長社会では、明るく元気な人ばかりでも良かったかもしれません。しかし、これからの一人十色の多品種少量消費、ソフト中心の成熟社会では違います。
人見知りの心の奥になる個性や独創性の中に、次代のヒントがあることも少なくないのです。大組織や同質社会では埋もれがちだった「静かな異質性」こそが、停滞した状況を動かす原動力になるのです。
あえて、大声で話しているメンバーばかりの話の輪にいなかったからこそ、人見知りだったからこそ、見えるもの、会える人があります。あえて中心にいる目立った人ばかりでなく「ちょっと変わった人見知りの人たち」に真摯な関心を寄せてみてはいかがでしょう。
3.人見知りだからこそずっと仲良くなっていたい
逆説的な言い方ではありますが、いつでも誰とでも友だちになれる人は、一生涯の友だちを作ろうという動機は小さいかもしれません。しかし、人見知りの人は、勇気を出して声をかけ、ようやく意気投合できた友人を、もっと大切にするはずです。
実は人見知りが激しい私も、メールやブログの助けもあって、幸運にも友だちを超える縁者がたくさんできました。しかし、今は、友だちの数が多いことは決して幸せなことではないとも感じています。
人生の時間も、自分の能力も限られている中では、緊密におつきあいできる友だちの数は限られているのです。それ以上、人数が多くても、かえって気遣いが増えたり、大切な親友に不義理をしたりして、悩みが増えてしまうからです。
また、既に長く親しくおつきあいをして、これから生涯にもわたってつきあいたい親友との関係を振り返ると、ふと気づくことがあります。それは、決して、毎週のように会ってオモシロおかしく過ごしているわけではないのです。
多くても月に1回、ひょっとしたら年に1回しか会わない人もいます。それでも、時々交わすメールやブログの力もあって、いざ会った時には、身近な人以上に親しみをおぼえます。そして、お互いの変化や進化を認めて喜び合った上で、大きな影響を与え合うこともできるのです。
***
人見知りは、決して恥じることでも嘆くことでもありません。むしろ、大きな影響力を持つ人、これから持つであろう人たちと「コミュニケーションしやすい特殊能力」だとも言えるのです。そのありがたさにさえ気づけば、自分の中にある大きな力が動き始めるでしょう。
【バックナンバー】
◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
◎Q2-6:評価軸がわからない
◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない
◎Q3-2:自分より優秀な人とどう付き合えばよいかわからない
◎Q3-3:自分が認めた人にだけ認められたい
◎Q3-4:うまくメールや手紙が書けない
◎Q3-5:相手の気持ちを動かせない
◎Q3-6:叱られると凹む
◎Q4-1:否定されるのが怖い
◎Q4-2:すでにその道で圧倒的な存在がいる
◎Q4-3:誰も自分のことを見てくれない
◎Q4-4:違う世代の人と話や興味が合わない
◎Q4-5:周りの反応がない
◎Q4-7:実力をつけてからデビューしたい
◎Q5-1:もともと前に出るような性格ではない
◎Q5-2:努力しても結果が出ない
◎Q5-3:「認められる自分」で居続けることに疲れる
◎Q5-4:誰も本当の自分をわかってくれない
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