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2009年02月07日(土)更新

【久米信行新刊】Q2-3:アピールの仕方がわからない

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q2-3:アピールの仕方がわからない
A2-3:まずは笑顔のあいさつと質問から始めよう


 「誰も自分を見てくれない」「自分のことを話すきっかけがつかめない」


 昨今の会社には、昔のように面倒見の良い上司も、かわいげのある部下も少なくなったようです。仕事が終わってからの飲み食いや、休日のゴルフや釣りなどのつきあいも減っているはずです。

 そんな中では、自分を「見てもらえる」「認めてもらえる」ようなアピールの方法に頭を悩ませるのも無理はありません。

 しかし、オフィスでのつきあいが淡白になり、とりわけ若い人たちが先輩たちや同僚たちと積極的にコミュニケーションをしない今だからこそチャンスです。ちょっとした日常の簡単なアクションで、効果的にアピールすることができるからです。
1 まずは笑顔で元気なあいさつから

 多くの先輩世代は、若い人たちの表情が乏しく笑顔が少ないと思っています。また、話す時も目を合わせようとしないか、たまに合わせた時には挑戦的で反抗的な眼光で迫ってくると嘆いていそうです。

 もちろん、それは、会社の中で、それも先輩の前で笑わないだけかもしれません。あるいは、長い間の癖で、無意識のうちに笑わなくなっているのかもしれません。

 現に、私が明治大学で教えている学生たちも、開講当初はなんとも表情が堅くて、あいさつさえもぎこちないのです。

 しかし、毎週、講義の前後に大きな声であいさつをして、仲間の前でおそるおそる発表をしているうちに態度が変わってきます。元気な大人たち=特別講師の縁者と私=に、にこやかな笑顔で受け入れられると、次第に笑顔を浮かべられるようになるのです。一年も経たないうちに別人のように明るくなる学生も少なくありません。

 そんな若者たちのさわやかな笑顔とあいさつほど、心を動かされるものはありません。その瞬間に、人物の評価が半分以上決まってしまうとさえ思うのです。

 前著「すぐやる!技術」では、毎日10人の知らない人にあいさつをするトレーニングを勧めました。利害関係のない人たちに、自然な笑顔であいさつと会話ができるようになったら、次のステップに進みます。毎日オフィスで顔を合わせる人たちにも、元気な一言を投げかけてびっくりされることが大切なのです。


2.よく見て、よく聞いて、毎回質問をしよう。

 もう1つ、先輩世代が若者たちに抱きがちな不満は、自分の仕事ぶりをちゃんと見ているのか、話をしっかり聞いているのかわからない人が多いということです。

 マザーテレサは、愛情の反対は憎しみではなく無関心だと看破しました。誰しも、自分に関心を持ってくれない人に、関心を持ちたくはないでしょう。上司に対して心からの関心を抱かなければ、部下への愛情も湧いてくるはずがありません。

 ですから、上司と商談や会議に同行した時などは、自分をアピールする絶好のチャンスです。自分が特別な発言をすること以上に大切なことは、上司の一挙手一投足をよく見て、発言を一言も漏らさず聴いておくことです。そして、「おやっ」と思ったことなどは必ずメモをしておいてください。

 そうすれば、帰り道にメモを見ながら、こんな質問を上司に投げかけることもできるはずです。

「先程の商談で、あの順番で資料を出したのは、どうしてですか?」
「お客様の質問に、すぐ答えなかったのは、なぜですか?」


 その動作や発言に何か深い意味があればあるほど、上司は質問がうれしくなるはずです。その理由と合わせて、貴重な経験則などを懇切に教えてくれるでしょう。たまたま無意識にやっていたことを質問した場合にも、「よく見ていたな」と評価してくれるはずです。

 即ち、若いうちは、商談相手への目立ったスタンドプレーよりも、上司への質問の方が大切なのです。先輩の仕事ぶりへの深い関心と鋭い観察力、上司に真似ぶ=学ぶ向上心と飽くなき情熱をが示すことにもなるのです。それこそが、先輩世代の心に響く絶好のアピールとなるはずです。

 振り返れば、証券会社時代に営業の神様と尊敬していた上司との同行営業が、私にとって何よりの勉強になりました。どんなセールス話法の本よりも、その場その場の先輩の言動を見ている方が、気づきも学びも多かったのです。

 このように、上司に質問を繰り返し、優れた点を少しずつ真似して身につけていけば、いずれそれは上司や同僚の目に留まるようになります。さらには、社外の商談相手にもアピールして認められるようになるでしょう。


【バックナンバー】
 ◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
 ◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
 ◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
 ◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
 ◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
 ◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
 ◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
 ◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
 ◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
 ◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
 ◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
 ◎Q2-6:評価軸がわからない
 ◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない

久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部  

2009年02月07日(土)更新

【久米信行新刊】Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
A2-2:反対者まで味方にする社内営業術を知る


 「どんなアイディアも難クセをつけられる」「社内営業で8割のエネルギーを使う」


 せっかく勇気を出して新しい提案をしたのに、なんと直属の上司や、味方だと思っていた社内の別部門に足止めをされてしまった。そんな苦い経験をお持ちの方も多いでしょう。

 私も、大手証券会社で新規事業を担当していた時に、社内営業の大変さを思い知りました。会社のために良かれと思って提案した企画が、予想外の反対を受けて暗礁に乗り上げてしまうのです。

 そんな中で、私が尊敬する上司から教わったのは、衝撃的な経験則でした。

 「大企業の部長ほど保守的な人はいない。それは、役員目前で原点となるミスをしたくないから。だから、自分が部長を務める間は新しいことをしようとしない。それが大企業を停滞させている。」

 しかし、愚痴をこぼしていても何も始まりません。私なりに、大企業での意思決定プロセスを学び、最後には、多くの当事者の理解を得て企画を通しやすくする「社内営業術」を身につけました。


1.まずは真のオピニオンリーダーとキーマンを知って根回し


 いくら、大企業とは言え、実際に新しい戦略を立案するオピニオンリーダーと、それを承認してリスクを負うキーマンは限られています。それは部長ではなく、次長や室長であることも少なくありません。

 いちはやく、多くの人から意見を聞いて、カギを握る人物が誰かを知ることが大切です。真っ先に、そして密かに相談して支援を取り付けなければなりません。オピニオンリーダーやキーマンが、会議で前向きな発言をしてくれれば、保守的な人もなびきやすくなるからです。


2.根回しする上司の好みの書式を知ってから書く

 企画書を根回ししている時に、その「内容」ではなく「書式」に文句をつけられてショックを受けた事がありました。「字が小さい」「フォントが嫌い」「罫線を太い方がいい」「四画の角を丸くして」といったことは「本題とは無縁の細かいこと」に思えて、キレそうにもなったこともありました。

 しかし、裏返して考えれば「お好みの書式」にするだけで「企画が通りやすくなる」のですから「お安い御用」なのかもしれません。現に、ある中央官庁の友人に聞いたところ、関連する大臣や議員の先生別に、お好みの書式を調べて関係者で共有していると聞きました。

 ですから、企画を認めてもらうための重要関係者のリストを作るなら、そこに「お好みのフォントと大きさ、罫線の種類と形」などを聞き出して一緒に記録しておきましょう。そして、企画書の体裁を、お好み通りに整えてから根回しをしましょう。


3.完璧な企画書よりも、明白な欠点が見えやすい企画書で根回し

 会議で何か企画書のアラを見つけて指摘するのを、自分の仕事だと考えている上司も多いものです。本番の会議の席で、そうして「存在意義を発揮」されては、まとまる話もまとまらなくなります。

 かといって、事前に根回しをする際に、アドバイスできないような完璧な企画書を持っていっても可愛げがなくて歓迎されないものです。そこで「あえて重要な点が欠落している」ような「未完成の企画書」をお見せして、むしろ積極的に教えを乞えるようにしました。

 もちろん「自分が気がつかない点」を助言してくだされば本当にありがたいことです。また「気づいていたのに書かなかった点」を指摘されても、、まさに「わが意を得たり」と歓迎すべきことなのです。


4.根回しの時点でリスクと面倒がないことを強調する


 多くの場合、根回しで一番問題となるのは、そのプロジェクトが「全社に長期的な利益をもたらすか」ではありません。保守的な人であればあるほど、他部門が提案する企画によって「自部門にどんなリスクと手間が発生する」かの方が気になるのです。

 ですから、他部門の保守的な部長や課長に提案する時には「リスクを回避できる妙案」や「余計な仕事が増えない方策」を考える必要があります。

 その上で、根回しの時に先回りをして「リスクと手間について説明する」ことで「心配を払拭」しておけば、会議はよりスムーズに進むでしょう。

 
5.本番のプレゼンでは、各部門キーマンのアドバイスを積極紹介

 いよいよ本番の会議で、企画についてプレゼンをする時には、あくまでも謙虚にいきたいものです。もちろん、企画書は「根回しの時にいただいたアドバイス」の数々を盛り込んで、完璧に仕上げておきます。

 そして、プレゼンの中で「○○の問題につきましては、□□部長のアドバイスをいただき、このように工夫いたしました。」と謝意を示しながら紹介します。そうすれば「自分だけの企画」が「みんなの企画」に昇華されて共感が得られやすくなるはずです。

 そして、ここぞというところで真のオピニオンリーダーの賛同を得て、最後にキーマンが承認をほのめかしてくれれば、保守的な人も賛成に回ってくれることでしょう。


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久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部  

2009年02月04日(水)更新

【久米信行新刊】Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
A2-1:3者の視点で空気を変える人が求められている


 「空気が読めないヤツ」


 今や、そう言われることを何より恐れている人が増えているように見えます。テレビのバラエティ番組などでお笑い芸人が「空気が読めない」と使う時、この言葉は「気が利かない」「面白い発言やリアクションができない」即ち「つまらなくて使えない人」と同義語だからです。

 しかし、同じ言葉でも、ビジネスの世界で使われる時には「意味がねじ曲げられている」ように思えます。
 
 「お得意様や上司が言う事には逆らうな」
 「せっかく多数決でまとまりそうな話をひっくりかえすな」
 「昔から決まっているルールに疑問を持つな」


 即ち、「長いものには巻かれろ」といった語意が感じられるのです。ともすれば、若い人財に「受け身で保身型の処世術」を強要するために悪用されているのではないでしょうか?
 もちろん、「TPO=時×場×目的をわきまえる」「そこに参加している人たちの心の動きを察する」という点で「空気を読む」ことは大切です。しかし、現状維持の方策では解決できない激動期には、あえて「空気を読んだ上」で「空気を変えること」が求められているのです。頭の固い上司には浮かばない斬新な発想こそ、トップが若い人財に望んでいるはずです。

 もしも、満場一致で決まりそうな会議、慣例や惰性で決まりそうな場面があったら、それはチャンスです。心と頭を柔らかくして、あえて3者の視点で「空気を変える」発言をしてみましょう。


1.お客様の視点で「空気を変える」


 ビジネスの世界で、王様はお客様です。しかし、気がつけばその基本を忘れて、作り手視点、売り手視点で「自社の都合の良い発想」をしてしまいがちです。

 そんな時、私は、この商品やサービスを「自分だったら買うだろうか?」「家族が喜ぶだろうか?」と発想します。一番、仲良しのお客様を思い浮かべてもいいでしょう。すると「これはおかしい」と思う場面に、きっと何度も出くわすはずです。

 今は、若い人たちがモノやコトを買わない=お金を使わない時代です。多くの企業が、若者向けのマーケティングに頭を悩ませています。だからこそ、「自分自身の心に聴いた」素直で率直な発言に、ハッとするリーダーが多いはずです。

 だからこそ自信を持って「自分がお客さまだったら」という生活者の視点で発言しましょう。


2.創業者の視点で「空気を変える」

 どんな会社も、創業者が立派で、起業の理念が社会に受け入れられたからこそ軌道に乗り、今も存続しているはずです。しかし、長い年月を経ると、創業者が志した理念は形骸化したり忘れ去られたりしていくものです。

 ですから、誰よりも創業者の歩みや発言をよく調べて、会社でも1、2を争うぐらいの「創業者通」になることをお勧めします。そして「自分が創業者だったらどう思うか?どんな手を打つか?」と、いつも発想するように鍛錬するのです。

 そうすると、時には「創業者ならこんな商品は作らない、こんなサービスは許さない」と思うような局面にぶつかるはずです。こうした状況を見過ごすことは簡単ですが、実は深刻なのです。長い目で見ると、長くご愛顧いただいたお客様が離れたり、社会を騒がす不祥事につながることも少なくありません。

 若輩ものが「空気を変える発言」をするには勇気が要ります。しかし、「もし創業者だったら....」と冒頭に付け加えて直言すれば、言葉の重みが違います。この言葉にドキッとしない、その意見に耳を傾けないリーダーはいないはずです。発言が「なるほど」と気づきを生むものなら、きっと、みなさんを見る目も変わるでしょう。


3.50年後100年後の子孫の視点で「空気を変える」

 企業の究極の目的は、規模の拡大や利潤の最大化ではありません。時代に合わせて変化し、進化を繰り返しながら、長期にわたって存続することです。しかし、長期的で社会的な行動をすべき上場企業ほど、株式市場に振り回されて、目先の利益や株価に心が奪われているように見えます。

 また、ただ企業が存続すればいいというわけでもありません。例えば、私が一番恐れているのは、今から50年後に私の孫やひ孫たちに「おじいちゃんの会社は続いたけれど、地球を汚したよね」「ひいおじいちゃんの会社は、地元に迷惑をかけたよね」と嘆かれることなのです。

 だからこそ、もし会議の場で、「今はいいけれど、将来に災いをもたらすような選択」それも「社会的に影響が大きい選択」を目にしたら会社の一大事です。すぐさま「50年後100年後に私たちの子孫が、どのように思うでしょうか?」と直言して欲しいのです。

 多くの人は、この厳しい経営環境で何を悠長なことを冷たい視線を浴びせるかもしれません。しかし、心ある経営者や上司なら、ハッとして耳を傾け、意見を認めてくれるはずです。

***

 この3つの視点は、いずれも日本で忘れられつつある「義」を重んじたものです。誰が何と言おうと批判を跳ね返し、自分の意志を貫くためには、いつの世も「義」が大切なのです。

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2009年02月03日(火)更新

【久米信行新刊】Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ

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Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
A1-5:日頃のイメージを裏切るほど印象に強く残る


 「柄にもない」「君らしくもない」


 せっかくやろうとしていたのに、誰かにそう言われた瞬間「心のブレーキ」がかかって、あきらめてしまった経験はありませんか?

 しかし、「柄にもない」と呼ばれるようなことこそ、現状をブレークスルーする決定打になることもあります。だから、今すぐ「心のアクセル」を踏むべきことかもしれません。それが成功するせよ失敗するにせよ、本来の自分を周囲に理解してもらい、まわりの見る目を変える好機になる可能性も高いのです。
1)ジョハリの窓と「人柄の死角」を知ろう

 考えてみれば、「柄にもない」などと「もっともらしいアドバイス」を直言する資格がある人などいないはずです。同僚や友人はもちろんのこと、両親など目上の親族や、会社の上司など先輩であっても、軽々しく助言はできないのです。

 なぜなら、みなさんの「本当の人柄」や「自分らしさ」、さらには「将来の可能性」や「潜在的な能力」を正しく見極めて人は、親しい身内の中にも、ほとんどいないからです。「自分のことを自分以上に理解してくれている」ような「師匠」しか、本来言ってはいけないセリフでしょう。

 「ジョハリの窓」と呼ばれる「自分を理解するためのマトリクス」をご存知でしょうか? 

 横軸に「自分が知っている自分」と「自分も知らない自分」、縦軸「周りの人が知っている自分」と「周りの人が知らない自分」を取ると、「2×2=4領域のマトリクス」ができあがります。

 「柄にもない」というのは、「周りの人が知っている(と思っている)自分」の領域で、騒ぎ立てられることです。いくら騒がれても、実際には「自分が知っている自分×周りの人が知らない自分=自分だけが知っている隠された自分」の領域は、いわば「死角」になっています。自分以外には見えていないわけです。


2)大きな危機や転機で「自分も知らない自分」が発動する

 また、「柄にもない」と思われることに挑戦することは、みなさんにとって、いつも以上にリスクの大きな体験になるでしょう。そこでは「想像を超えた困難」や「危機的状況」に見舞われることもあるはずです。また、「予想外の出会い」に恵まれて「人生の転機」になることもあるでしょう。

 そんな時、ジョハリの窓で言うならば「自分も周りの人も知らない未知の自分」が目覚めることも少なくありません。

 私も「柄にもない」挑戦をした結果、現状を突破できたブレークスルー体験を数多く味わうことができました。

 ゲームもゲーマーの子供たちも嫌いだった「文系の元ボーイスカウト」が、ゲームデザイナーの仕事に夢中になりました。大学では「中国の現代社会主義経済」を学ぶゼミの代表を務めたのに、証券会社ではファイナンシャルプランナーを養成する仕事に燃えました。

 そしてローテクのTシャツメーカー経営者でありながら、「柄にもなく」経営情報学会に誘われて、インターネットに挑戦しました。その結果、いつしかIT関係の連載や講演も増えて、明治大学「ブログ起業論」の講師も務めています。

 こうして、若い頃には想像だにしなかった方向に人生が展開していきました。そして、自分でも気づかなかった能力を磨くことになって驚いているのです。


3)柄にもないと言った人ほど変化に驚き、認めてくれる
 
 もちろん、私以上に驚いたのは、昔から私をよく知っている人たちでしょう。今、私が図らずもライフワークとしていることの多くは、私の身内や旧友にとって「柄にもないこと」「私らしくないこと」だからです。

 コンサルティング会社の内定を蹴って創業間もないベンチャーに就職する時も、証券会社に転職して新規事業に挑戦する時も、さらには、家業である構造不況業種の国産Tシャツメーカーを後継する時も、多くの人が忠告をしてくれました。私の「柄にもない」選択を心配してくれての心温まる「ありがたいアドバイス」でした。

 しかし、その時制止してくれた方々も、今では「私の挑戦」を認めて、大いに祝福してくださっています。むしろ「予想外の展開」だったからこそ、さらに喜んでくれているようにも思えます。

 例えば、証券会社への転職を大反対した父も、不幸にも「バブル崩壊を当事者として味わった実体験」が、「経営者としての最大の財産」のひとつと認めてくれているのです。

***

 ですから、「隠された自分」や「まだ見ぬ自分」が直観して、「心からやりたいと願っている」ことなら、誰が何と言おうと迷う必要はありません。その挑戦が、自分の能力を伸ばし、新たな縁を広げてくれる可能性が高いからです。その成否にかかわらず、周りが「君らしい」と思っているような「予定調和の展開」よりも、大いに注目されて後々認められる結果につながるでしょう。

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久米 信行 網縁作務処
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2009年01月28日(水)更新

コムMAGA vol.142

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                  http://gate.keikai.topblog.jp/


【中小企業の「空気」を伝えるコミュニティ】

みなさん、こんにちは。
経営者会報ブログ編集部の大西です。

何度かご案内しておりますのでご承知かと存じますが、昨年11月のオフ会
直後から、入会もしくはお試し利用のお申込みが増えています。

最大の要因は、会員のみなさまの「ご紹介」です。事務局一同、本当に感
謝しております。

これだけご紹介してくださるのだから頑張ろう、ということで、ささやか
ですがトップページの各項目もリニューアルしています。たとえば、当ブ
ログのセールスポイントをまとめた「経営者会報ブログとは」欄には、
<7つの大きな特長>を紹介しております。

いまさら、とお感じになるかもしれませんが、ぜひご確認くださいませ。
 http://office.keikai.topblog.jp/blog/10006133.html

特に、「1 会員が続々メディアに登場する中小企業のネット版記者クラ
ブ!」では、会員のみなさまのメディア紹介記事にリンクを張らせていただ
いております。

「ネット版記者クラブ」については、当ブログ立ち上げ当初からプロデュー
サーの久米信行さんが強調されていましたが、ようやくそこに近づいてきた
かな、という実感があります。

未曾有の不景気が、中小企業やその社長さんたちにどのような影響を与え、
またどのような対策を立てていらっしゃるか、本音のところでどう考えてい
るのか・・・。このあたりは、新聞など既存のメディアを見ていても、なか
なか伝わってきません。

その点、当ブログの新着記事からみなさまのブログをランダムに覗いていく
と、メディアが発表する定量的なデータではなく、社長さんの実感という定
性的な情報、中小企業を取り巻く「空気感」のようなものが、伝わってくる
のです。

その空気の温度が上がっている実感もあります。リアルとバーチャルを通じ
た会員同士の連帯感が、コメントやトラックバック、あるいは「お取り寄せ」
などを通じて、確実に深まっているようです。

たとえば、八戸ニューシティホテルの谷口板長が、コクホー様のカバンを購
入され、その喜びを綴った記事を、ぜひご一読ください。
 http://newcity.keikai.topblog.jp/blog/101/10012675.html

殺伐とした話題が多い中で、温かい触れ合いを醸し出すこのブログコミュニ
ティを、これからも大切に育ててまいります。もし、「この方を経営者会報
ブログにお誘いしたいのだが」というご用命がございましたら、事務局まで
ご一報くださいませ。

ちなみに今日は、テストマーケティング研究所の大阪ミーティングの日。レ
ーザーテック様から移動して、懇親会でさぞや盛り上がっているに違いあり
ません。

これより、「経営者会報ブログ」コム第142号をお届けいたします。


=================◇INDEX◇===================

 <編集部からのお知らせ>
 (1)【明大生との毎週一問百答】
     質問第131弾は、「失敗から得られた学びや発見」とは
 (2)今週の“ブログ PICK UP”
    【クエストリーの櫻田弘文さん】
 (3)今月のお題
    「社員の“戦闘力”を上げるには」
 (4)今週のお題
    「オバマ大統領演説で感じたこと」
 (5)編集記者・酒井の
    「こんな社長さんに会ってきました!」
 (6)経営者会報アーカイブ

 <事務局からのお知らせ>
 (7)連載・事務局Present's
    経営者会報ブログ道の「寄り道茶庵」‥∵‥∵‥∵‥∵
    つないでゆくもの →都合により休載します。
    
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          ◆◆  編集部からのお知らせ  ◆◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┌─┐ 【明大生との毎週一問百答】
│1│  質問第131弾は、「失敗から得られた学びや発見」とは
└─┘────────────────────────────────────────────

毎週、経営者ブロガーのみなさまにご協力をいただいている【明大生との毎週
一問百答】は、「経営者会報ブログ」プロデューサー・久米信行さんの明治大
学商学部講義「ベンチャービジネス論(前期)/起業プランニング論(後期)」
とのコラボ企画です。

※久米さんの講義ブログはこちらから。
  └→ http://blog.canpan.info/meiji_venture/
 
今回は、昨年から続けている「岡崎塾4期生」からの質問シリーズの第4弾とな
ります。さっそくご紹介しましょう。

<質問>──────────────────

 『失敗』について質問させていただきます。
 人は失敗から学ぶことができる。
失敗のない人生などないと言われています。
 失敗をしても、そこから学びがあれば
 人は大きく成長できると私は考えています。
 失敗談のエピソードとその失敗から得られた
 学びや発見を教えてください。
 (成蹊大学経済学部3年 小山内麻莉奈さん)

──────────────────────
 
▼質問内容の詳細はこちら▼
 http://editors.keikai.topblog.jp/blog/g/10012590.html

1月23日(金)21時現在で、お一人の方が回答を寄せてくださりました。

▼京都工芸 寺田社長▼
 http://makasetaro.keikai.topblog.jp/blog/b/10012734.html

いかにも寺田社長らしいエピソードが満載です。スペースの都合で一部にな
るのが惜しいくらいですが、抜粋してご紹介しましょう。

         -●-          -●-

こんにちは。【タオルはまかせたろ.com】タオルソムリエの寺田です。

私はスポーツが大好きです。ネット通販でスポーツタオルが販売したかった
のです。

ある年に地元野球部は初めての甲子園出場。当社からの応援寄付として一名
一名に名前入りのスポーツタオルをベンチに持って行ってください!っとお
願いしました。

知識と勉強不足だった私は、高野連の規定で名前入りの備品はベンチに持ち
込めないと知ります。 

大きな失敗と誤算です。 これは商売にならんのか・・・っと。
でもまあ、いいやと思いました。

それが、その時は使用することはできなかったけども口伝いに伝わって、甲
子園から戻ってきた選手の記念品タオルの受注や甲子園を目指す選手から普
段の練習時に使うのに名前入れてくださいと注文がいっぱい来ました。
(以下、略)

 *      *      *

「でもまあ、いいやと思いました。」
の箇所まで読んで、思わず涙腺が緩んでしまいました。一見軽やかに語って
おられますが、そのときの寺田さんの複雑な気持ちが想像できたからです。

同じような経験を、私もよくします。挫折の先にしか結果という果実はない、
ということを嫌というほど味わってきました。

自分が動かなければ失敗しないし傷つかないけれども、成功は絶対につかめ
ない。動けばたいていは痛い目にあうけれども、そこを潜り抜けた人にだけ
成功が訪れる。

寺田社長の、このフレーズで締めましょう。
「失敗やと思わず、続けていたら成功になった事例です」

本企画は明大生以外の学生さんはもちろん、一般の方からの質問も大歓迎で
す。

「現役経営者に、ぜひこれを聞いてみたい!」
というテーマがありましたら、下記のメールアドレスまでご一報ください。

〔送信先〕→ blog@njg.co.jp

みなさま、何とぞよろしくお願い致します!

                                   (編集部・大西啓之)


┌─┐
│2│ 今週の“ブログ PICK UP”
└─┘────────────────────────────────────────────

このコーナーでは、日々、経営者のみなさんの書かれたブログを雑誌「月刊
経営者会報」編集部員が拝見し、お薦めのブログをご紹介していきます。

今回のお薦めブログは、新たに加わってくださった、クエストリーの櫻田弘
文さんです。
 
 *      *      *

20世紀を代表するアメリカの画家、アンドリュー・ワイエス氏が
1月16日にペンシルベニア州フィラデルフィア郊外の自宅で
亡くなりました。91歳でした。
静寂感が色濃く漂うこの画家の描く絵が僕はたまらなく好きです。
観ていると作品の向こう側にあるいろいろな物語を感じます。

ワイエスは、水彩やドライブラッシュやテンペラを使って、
アメリカの原風景ともいわれる故郷のペンシルベニア州や
メーン州などを描いた画家です。
人物画にもすばらしい作品を発表しており、
別荘近くに住むオルソン家のシリーズや
長年にわたって1人の女性を描き続けた
「ヘルガ」シリーズなどがあります。


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 *      *      *

美術関連、かなり弱い私(なにか強いところはあるのか…)としては、芸術
のわかるかたを、非常に尊敬します。造詣の深い櫻田さんのご投稿、今後が
非常に楽しみです。

櫻田さん、これから事務局一同、お役に立てるよう努力して参ります。
 
そして、企業のブランディングを手がけておられる櫻田さんには、まことに
虫の良いお願いですが、私ども事務局にご指導・ご鞭撻を賜りますよう、お
願い申し上げます。
 
これから、どうかよろしくお願い申しあげます!
 
                                   (編集部・酒井俊宏)
     


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│3│ 今月のお題 (1月23日~2月19日)
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【社員の“戦闘力”を上げるには】

戦略・戦術、商品などで差別化がはかりにくい時代だといわれます。ではど
こで差がつくのかというと、「人」だとおっしゃる識者、経営者は少なくあり
ません。それは、いわば個々の社員の現場での「戦闘能力」の差といえます。
 
いちいち上司の判断を仰がずに自分の意思で対応でき、会社全体の利益を考
えながら動ける、そんな社員を育てるために、トップはなにをすべきか、ど
のような姿勢で部下指導にあたるべきなのか、ご意見・お考えを綴っていた
だけたら幸いです。

                                   (編集部・酒井俊宏)


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│4│ 今週のお題(1月23日~29日)のお題
└─┘────────────────────────────────────────────

【オバマ大統領演説で感じたこと】

すでにコクホーの庄山悟さん、小高莫大小工業の小高集さんが書いてくださ
っています(下記URLをご参照ください)が、アメリカ合衆国オバマ新大
統領の演説を映像でご覧になったかたは多いと思います。
 
大統領戦を含めた彼我の政治形態の違い、国民の盛り上がりかたや、オバ
マ氏自身の演説力など、いろいろ感じるところがおありかと存じますので、
それをぜひブログで綴ってみてください。

■コクホー 庄山悟さんのブログ >>>
 http://kabankokuho.keikai.topblog.jp/blog/100/10012724.html

■小高莫大小工業 小高集さんのブログ >>>
 http://next30.keikai.topblog.jp/blog/102/10012721.html

 *「今週のお題」「今月のお題」について、ブログでお書きになった方は、
お手数ですが、編集部ブログの「今週のお題」「今月のお題」のそれぞれ最新
記事にトラックバック下さるか、コメントで「○月○日の記事で書きました」
とお知らせ下さいますよう、お願い致します。できましたら、他の読者の方が
すぐジャンプできますので、トラックバックを貼って下さい。

                                   (編集部・酒井俊宏)


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│5│ 編集記者・酒井の「こんな社長さんに会ってきました!」
└─┘────────────────────────────────────────────

経営者会報編集部・酒井が社長さん・識者のかたに取材させていただいた際
に感じたこと、感心したことなどを中心に綴っています。最新の日記は、リ
ングアンドリンクの金丸信一さんです。

 http://sakai.keikai.topblog.jp/blog/a/10012704.html

                                   (編集部・酒井俊宏)


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│6│ 経営者会報アーカイブ
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過去の経営者会報のアーカイブを更新しています。

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                                   (編集部・酒井俊宏)


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都合により、今週は休載します。


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