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【久米信行新刊】Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
A2-2:反対者まで味方にする社内営業術を知る
「どんなアイディアも難クセをつけられる」「社内営業で8割のエネルギーを使う」
せっかく勇気を出して新しい提案をしたのに、なんと直属の上司や、味方だと思っていた社内の別部門に足止めをされてしまった。そんな苦い経験をお持ちの方も多いでしょう。
私も、大手証券会社で新規事業を担当していた時に、社内営業の大変さを思い知りました。会社のために良かれと思って提案した企画が、予想外の反対を受けて暗礁に乗り上げてしまうのです。
そんな中で、私が尊敬する上司から教わったのは、衝撃的な経験則でした。
「大企業の部長ほど保守的な人はいない。それは、役員目前で原点となるミスをしたくないから。だから、自分が部長を務める間は新しいことをしようとしない。それが大企業を停滞させている。」
しかし、愚痴をこぼしていても何も始まりません。私なりに、大企業での意思決定プロセスを学び、最後には、多くの当事者の理解を得て企画を通しやすくする「社内営業術」を身につけました。
1.まずは真のオピニオンリーダーとキーマンを知って根回し
いくら、大企業とは言え、実際に新しい戦略を立案するオピニオンリーダーと、それを承認してリスクを負うキーマンは限られています。それは部長ではなく、次長や室長であることも少なくありません。
いちはやく、多くの人から意見を聞いて、カギを握る人物が誰かを知ることが大切です。真っ先に、そして密かに相談して支援を取り付けなければなりません。オピニオンリーダーやキーマンが、会議で前向きな発言をしてくれれば、保守的な人もなびきやすくなるからです。
2.根回しする上司の好みの書式を知ってから書く
企画書を根回ししている時に、その「内容」ではなく「書式」に文句をつけられてショックを受けた事がありました。「字が小さい」「フォントが嫌い」「罫線を太い方がいい」「四画の角を丸くして」といったことは「本題とは無縁の細かいこと」に思えて、キレそうにもなったこともありました。
しかし、裏返して考えれば「お好みの書式」にするだけで「企画が通りやすくなる」のですから「お安い御用」なのかもしれません。現に、ある中央官庁の友人に聞いたところ、関連する大臣や議員の先生別に、お好みの書式を調べて関係者で共有していると聞きました。
ですから、企画を認めてもらうための重要関係者のリストを作るなら、そこに「お好みのフォントと大きさ、罫線の種類と形」などを聞き出して一緒に記録しておきましょう。そして、企画書の体裁を、お好み通りに整えてから根回しをしましょう。
3.完璧な企画書よりも、明白な欠点が見えやすい企画書で根回し
会議で何か企画書のアラを見つけて指摘するのを、自分の仕事だと考えている上司も多いものです。本番の会議の席で、そうして「存在意義を発揮」されては、まとまる話もまとまらなくなります。
かといって、事前に根回しをする際に、アドバイスできないような完璧な企画書を持っていっても可愛げがなくて歓迎されないものです。そこで「あえて重要な点が欠落している」ような「未完成の企画書」をお見せして、むしろ積極的に教えを乞えるようにしました。
もちろん「自分が気がつかない点」を助言してくだされば本当にありがたいことです。また「気づいていたのに書かなかった点」を指摘されても、、まさに「わが意を得たり」と歓迎すべきことなのです。
4.根回しの時点でリスクと面倒がないことを強調する
多くの場合、根回しで一番問題となるのは、そのプロジェクトが「全社に長期的な利益をもたらすか」ではありません。保守的な人であればあるほど、他部門が提案する企画によって「自部門にどんなリスクと手間が発生する」かの方が気になるのです。
ですから、他部門の保守的な部長や課長に提案する時には「リスクを回避できる妙案」や「余計な仕事が増えない方策」を考える必要があります。
その上で、根回しの時に先回りをして「リスクと手間について説明する」ことで「心配を払拭」しておけば、会議はよりスムーズに進むでしょう。
5.本番のプレゼンでは、各部門キーマンのアドバイスを積極紹介
いよいよ本番の会議で、企画についてプレゼンをする時には、あくまでも謙虚にいきたいものです。もちろん、企画書は「根回しの時にいただいたアドバイス」の数々を盛り込んで、完璧に仕上げておきます。
そして、プレゼンの中で「○○の問題につきましては、□□部長のアドバイスをいただき、このように工夫いたしました。」と謝意を示しながら紹介します。そうすれば「自分だけの企画」が「みんなの企画」に昇華されて共感が得られやすくなるはずです。
そして、ここぞというところで真のオピニオンリーダーの賛同を得て、最後にキーマンが承認をほのめかしてくれれば、保守的な人も賛成に回ってくれることでしょう。
【バックナンバー】
◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
◎Q2-6:評価軸がわからない
◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない
久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部
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Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
A2-2:反対者まで味方にする社内営業術を知る
「どんなアイディアも難クセをつけられる」「社内営業で8割のエネルギーを使う」
せっかく勇気を出して新しい提案をしたのに、なんと直属の上司や、味方だと思っていた社内の別部門に足止めをされてしまった。そんな苦い経験をお持ちの方も多いでしょう。
私も、大手証券会社で新規事業を担当していた時に、社内営業の大変さを思い知りました。会社のために良かれと思って提案した企画が、予想外の反対を受けて暗礁に乗り上げてしまうのです。
そんな中で、私が尊敬する上司から教わったのは、衝撃的な経験則でした。
「大企業の部長ほど保守的な人はいない。それは、役員目前で原点となるミスをしたくないから。だから、自分が部長を務める間は新しいことをしようとしない。それが大企業を停滞させている。」
しかし、愚痴をこぼしていても何も始まりません。私なりに、大企業での意思決定プロセスを学び、最後には、多くの当事者の理解を得て企画を通しやすくする「社内営業術」を身につけました。
1.まずは真のオピニオンリーダーとキーマンを知って根回し
いくら、大企業とは言え、実際に新しい戦略を立案するオピニオンリーダーと、それを承認してリスクを負うキーマンは限られています。それは部長ではなく、次長や室長であることも少なくありません。
いちはやく、多くの人から意見を聞いて、カギを握る人物が誰かを知ることが大切です。真っ先に、そして密かに相談して支援を取り付けなければなりません。オピニオンリーダーやキーマンが、会議で前向きな発言をしてくれれば、保守的な人もなびきやすくなるからです。
2.根回しする上司の好みの書式を知ってから書く
企画書を根回ししている時に、その「内容」ではなく「書式」に文句をつけられてショックを受けた事がありました。「字が小さい」「フォントが嫌い」「罫線を太い方がいい」「四画の角を丸くして」といったことは「本題とは無縁の細かいこと」に思えて、キレそうにもなったこともありました。
しかし、裏返して考えれば「お好みの書式」にするだけで「企画が通りやすくなる」のですから「お安い御用」なのかもしれません。現に、ある中央官庁の友人に聞いたところ、関連する大臣や議員の先生別に、お好みの書式を調べて関係者で共有していると聞きました。
ですから、企画を認めてもらうための重要関係者のリストを作るなら、そこに「お好みのフォントと大きさ、罫線の種類と形」などを聞き出して一緒に記録しておきましょう。そして、企画書の体裁を、お好み通りに整えてから根回しをしましょう。
3.完璧な企画書よりも、明白な欠点が見えやすい企画書で根回し
会議で何か企画書のアラを見つけて指摘するのを、自分の仕事だと考えている上司も多いものです。本番の会議の席で、そうして「存在意義を発揮」されては、まとまる話もまとまらなくなります。
かといって、事前に根回しをする際に、アドバイスできないような完璧な企画書を持っていっても可愛げがなくて歓迎されないものです。そこで「あえて重要な点が欠落している」ような「未完成の企画書」をお見せして、むしろ積極的に教えを乞えるようにしました。
もちろん「自分が気がつかない点」を助言してくだされば本当にありがたいことです。また「気づいていたのに書かなかった点」を指摘されても、、まさに「わが意を得たり」と歓迎すべきことなのです。
4.根回しの時点でリスクと面倒がないことを強調する
多くの場合、根回しで一番問題となるのは、そのプロジェクトが「全社に長期的な利益をもたらすか」ではありません。保守的な人であればあるほど、他部門が提案する企画によって「自部門にどんなリスクと手間が発生する」かの方が気になるのです。
ですから、他部門の保守的な部長や課長に提案する時には「リスクを回避できる妙案」や「余計な仕事が増えない方策」を考える必要があります。
その上で、根回しの時に先回りをして「リスクと手間について説明する」ことで「心配を払拭」しておけば、会議はよりスムーズに進むでしょう。
5.本番のプレゼンでは、各部門キーマンのアドバイスを積極紹介
いよいよ本番の会議で、企画についてプレゼンをする時には、あくまでも謙虚にいきたいものです。もちろん、企画書は「根回しの時にいただいたアドバイス」の数々を盛り込んで、完璧に仕上げておきます。
そして、プレゼンの中で「○○の問題につきましては、□□部長のアドバイスをいただき、このように工夫いたしました。」と謝意を示しながら紹介します。そうすれば「自分だけの企画」が「みんなの企画」に昇華されて共感が得られやすくなるはずです。
そして、ここぞというところで真のオピニオンリーダーの賛同を得て、最後にキーマンが承認をほのめかしてくれれば、保守的な人も賛成に回ってくれることでしょう。
【バックナンバー】
◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
◎Q2-6:評価軸がわからない
◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない
久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部
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