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2009年03月07日(土)更新

【久米信行新刊】Q4-5:周りの反応がない

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q4-5:周りの反応がない
A4-5:3つの経験則で2割の同志を遠くで探す


 「新しいことをしてもウケない」「職場に元気がなくて沈滞している」


 変革の意志とアイディアに恵まれたとしても、みなさんの言動が、職場やサークルなどのコミュニティで、すぐに受け入れられることは稀でしょう。保守的な現場であればあるほど、みなさんの元気は、むしろ煙たがられたり、時には浮いてしまうかもしれません。

 これは、まだ若いから地位や権力を手にしていないから起きるわけではありません。オーナー経営者である私も、つい数年前の第二創業プロジェクトでは、有形無形の抵抗を感じました。ですから、生涯つきまとう人生の課題でもあるのです。

 こんな時、私は3つの経験則を念頭において、あわてずゆっくり対応していきます。


1 普及学:何でもすぐに飛びつくイノベーターに注目して始め、普及を待つ


 ソフト化経済センターの客員研究員時代に、日下公人先生から教わった「イノベーションの普及学」が、こんな時に役立ちます。この本は、1962年に、エベレット・ロジャーズがトウモロコシの新種等がどうやって普及していくか分析したものです。

 何かが普及する時に、まず最初は新しもの好きのイノベーターが飛びつき、やがてイノベーターを注目しているリーダー層が始め、やがて情報通のアーリーアダプターが気づいた後で、ようやくフツーの人たちが始めるという経験則です。

 私も、株式ゲームソフト、ファイナンシャルプランナー、インターネット、オーガニックコットン、グリーン電力と、目新しいものにいちはやく関与するチャンスに恵まれましたが、当初、身内や世間の評価は冷たいものでした。しかし、3年5年10年と経つうちに、いつしか当たり前になっていったのです。

 ですから「周りの反応が冷たい」ということは、「イノベーターやリーダーしか、まだ気づいていない、しかもその中に自分がいる」ことを意味して「幸運」なのです。


2.2:6:2の法則:2割のイノベーター・リーダーを探してつき合う

 どんなコミュニティの中であれ、どんなアイディアであれ、2割が賛成、6割は中立、2割は反対という、2:6:2の経験則は、自らの覚悟を決めるのに役立ちます。

 しかし、こと新しいことを始める時には、その2割=イノベーター・リーダーは、社外や身内の外にいる場合が多いのです。

 インターネットであれ、エコロジーであれ、私は社外の勉強会で多くのイノベーター、リーダーに出会い、その人たちに勇気づけられました。そしていち早く新しいことを始め、それがまたイノベーター、リーダーに評価されるという体験に恵まれました。さらに、その人たちは10年後、それぞれの世界で大活躍する貴重な師匠や仲間になりました。

 ですから、周りが冷たい時こそ、イノベーターやリーダーとのご縁を築くための絶好のチャンスと言えます。


3.近親正論反発の法則:身近な人ほど、正しいことほど反発される

 これは私が勝手に、自らの体験、そして尊敬する先輩リーダーのお話の中から考えた法則です。

1)近くにいて、いつも会える人には関心が薄い

 身近な人ほど関心を持ってくれるというのは幻想です。例えば、多くの尊敬すべき社長ブロガーが、社員や家族にはブログを読んでもらえていないことを嘆いています。また、明治大学の教え子は、ゲスト講師には敬意を払うのですが、私には関心が薄いので訪ねてみたら「先生にはいつでも会えるから」と言われました。

2)近くにいる人に意見を言うと反発する

 さらに難しいことには、身近な人と話をする場合は、どうしても理屈よりも感情で判断しがちです。ですから反発されやすい関係性の一番は、夫婦関係、親子関係、兄弟関係でしょうし、続いて、職場での上下関係、同僚関係、親企業下請け関係などでしょう。これは、改革案を客観的に示しているつもりでも、「自分の人間性を攻撃されている」と錯覚されてしまうからでしょう。

3)新しい意見であればあるほど反発する

 身近な関係性は、あるバランスで均衡しながら、半ば惰性で続いています。だからこそ、うまくいく一面もあるのですが、その均衡を壊す「新しい意見」が出ると抵抗があります。その改革案が新しければ新しいほど、均衡への影響が大きいと本能的に察知して、大きく抵抗するのではないかと考えています。

4)正論であればあるほど反発する

 さらに、その意見をよく考えてみたら「正しい」「正しそう」と感じる場合はやっかいです。まさに、これまでの自分たちが「正しくなかった」と叱られているような気分になってしまうからです。実際には正しいかどうかではなく、時代に合っているかどうかという話で、個人攻撃をしているのではないのですが、そのように取られがちです。

***

 こうして考えると、周りの理解がないと嘆く時間があったら、社外のイノベーターやリーダーに出会うべく勉強会にでかけて交流した方が良さそうです。そして、勧められるままに、ひとりで実験してはネットで発信して、さらに同志を増やします。その繰り返し、成果が見えてから、社内にゆっくり導入していくのがスムーズな流れでしょう。

 私もこれまでそうしてきましたし、これからも定期的にコミュニティの中で無視され浮いてしまうでしょう。そこで、社外の面白い人たちと新しいことを始めて、最後に組織や地域の改革に役立てていくでしょう。

【バックナンバー】
 ◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
 ◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
 ◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
 ◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
 ◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
 ◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
 ◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
 ◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
 ◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
 ◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
 ◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
 ◎Q2-6:評価軸がわからない
 ◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない
 ◎Q3-2:自分より優秀な人とどう付き合えばよいかわからない
 ◎Q3-3:自分が認めた人にだけ認められたい
 ◎Q3-4:うまくメールや手紙が書けない
 ◎Q3-5:相手の気持ちを動かせない
 ◎Q3-6:叱られると凹む
 ◎Q4-1:否定されるのが怖い
 ◎Q4-2:すでにその道で圧倒的な存在がいる
 ◎Q4-3:誰も自分のことを見てくれない
 ◎Q4-4:違う世代の人と話や興味が合わない


久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部  

2009年03月06日(金)更新

【久米信行新刊】Q4-4:違う世代の人と話や興味が合わない

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Q4-4:違う世代の人と話や興味が合わない
A4-4:懐に跳び込んで自分の器を広げよう


 「違う世代の人とはつきあいたくない」「何を話していいかわからない」


 若くして活躍すればするほど、自然に先輩世代や後輩世代との付き合いが増えていきます。この時、多くの人が、話や興味が合わずに、その場が盛り上がらずに気まずい思いをするでしょう。

 私は、若くして仕事を任さたり、経営者になったりしたため、自分より一回り~三回りも年上の先輩方とのお付き合いに直面しました。また、昨今では、会社や大学では二回りも違う若い人たちとコミュニエーションをしなくてはなりません。

 否応なく、違う世代とのコミュニケーションに晒されたわけですが、ちょっと工夫さえすれば、決して難しいことではないと気づきました。それどころか、同世代とつきあうよりも、遥かに広い世界に巡り会えて、自分の器が広がること請け合いです。


1 なるべく自分の知らない趣味や勉強の会に参加する


 同世代のつきあいや、会社のコミュニティを離れて、異世代の人が参加している趣味や勉強会に参加しましょう。

 私は証券会社時代に、先輩に教えられて、お隣の会社の詩吟部に入りました。知識も興味もなかったのですが、試しに腹から声を出してみると、「こんなに心地良いものとは思わなかった」というのが実感です。同企業を定年退職された大先輩ばかりでしたが、若い人がいないこともあって大変かわいがってくれました。そして、豊富な人生経験の一端まで教えていただけたのです。

 一回でも、大先輩の中で、未知の何かを楽しむ体験、そしてかわいがっていただく体験を味わえば、世代間コミュニケーションへのおそれはなくなるのです。


2 仕事を離れて、ボランティア活動に参加する

 これからは社会起業家がますます活躍する時代です。数々のNPO法人には、大先輩から若者まで、世代と職業などの壁を超えて自主的に集まって、意義深い活動を始めています。

 私も、エコロジー志向のTシャツをお作りしていることもあって、多くの環境やアート関係のNPO法人と活動を共にしています。また、日本財団CANPANセンターの理事として、公益団体の中でも特に情報発信に熱心な方々と接する機会に恵まれています。

 こうしたボランティア活動には、共通の志と目標を持って元気な人が集まっています。また、一緒に汗を流すことも多いので、自然にコミュニケーションが育まれるのです。ですから、想いは強いけれど会話は苦手な人には、ボランティア活動を通じた世代間コミュニケーションがおすすめです。


3.なつかしの名画や名作を楽しんで、感動を共有する

 好きなものやことが同じであれば、世代の壁は一気に崩れて、会話が弾むはずです。中でも、映画や音楽などは、コストや手間をかけずに、共通の趣味を持つのに最適です。

 私は、映画好き音楽好きの父のもとで育ったので、大いに得をしました。幼いころから、駅馬車やローマの休日などの名画や、ベートーベンやポールモーリアの音楽を一緒に楽しんでいたので、今では、先輩世代との話の種になるのです。そこで「感動するソフトは世代を超えて一緒」という確信も得ることができました。

 また、手塚治虫はじめトキワ荘世代の古い漫画やアニメを見ることも、世代間コミュニケーションに役立ちます。私も子育てを兼ねて、ドカベンからメジャーまで、子供たちとアニメ見て楽しんでいますが、そのおかげで大先輩から小学生まで話が弾むのです。

 今は、こうした過去の名作ソフトは、著作権の関係で格安で販売されています。また衛星放送、ネット配信、レンタルソフトも充実しています。これらを活用すれば、自分の人生を豊かにするばかりでなく、先輩世代や後輩世代と意気投合することもできるのです。

 
4 自分の足で身近な美酒、美甘味、美食を探し出す

 美味しいものと、それにまつわるストーリーは、世代を超えて盛り上がる話題のひとつです。

 ただし、お金をかけたもの、既に有名なものの話をしたり、贈呈しても喜ばれません。ポイントは自分の足で探した、知られざる路地裏の名店、しかも気軽に立ち寄れる価格のお店です。

 私のふるさとで事業の拠点である墨田区は、実は美味しいお店の宝庫です。歴史のある老舗の名店、海外から来た料理人自ら営むエスニック料理店、下町にほれた区外の方が作った素敵なお店が路地裏に立ち並んでいます。ところが、多くの人は墨田区に足を運んだ事がないので、ランチにお誘いしたりお土産にお持ちすると、みなさん喜ばれるのです。

 自分の身近で、知る人ぞ知るお店を探すのは、予算がない若い人でも簡単です。そして、会社や自宅の回りの魅力を再発見することにもつながり、毎日の食生活も豊かになるのです。


5.仲良くなりたい先輩の好きなものごとを教わり真似する

 中でも最も良い方法は、これから仲良くなりたい先輩に、思い切って初対面の時にお尋ねすることです。

「先輩のおすすめの本、映画、音楽など教えていただけませんか?」

 座右の書や生涯ベスト1の映画・音楽について聴かれることは「あなたのことを敬愛しています」というのと同義語です。よほどのことが無いかぎり、教えてくださるはずです。

 おすすめをいただいたら、すぐに入手するかレンタルして、先輩おすすめの世界を味わいましょう。そして、すぐにお礼状かお礼メールを書いて、その感激を綴って感謝いたしましょう。

 そして、次回お会いする機会があれば面談時、なければ郵送で、自分のおすすめ本もお贈りしましょう。できれば、先輩世代の読まない本、しかし、読めば新鮮な感動がある本を贈ります。

 こうして、好きな本や映画の、さらにはグルメのキャッチボールが繰り返されれば、お互いの理解が進んで、話も自然に弾むでしょう。

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2009年03月05日(木)更新

【久米信行新刊】Q4-3:誰も自分のことを見てくれない

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Q4-3:誰も自分のことを見てくれない
A4-3:堂々と目立つ勇気×嫌われない礼儀


 「大勢の中に埋もれてしまう」「どうすれば目立てるのだろう」


 誰もが、心の奥底で、もっと自分のことを見て欲しい、もっと認めて欲しいと願っているはずです。特に、なかなか注目してもらえない若い世代ほど、心のどこかに欲求不満を抱えているはずです。

 私が、創業間もない無名のベンチャーに新卒第一期として入社した時は、名刺を見せても、あいさつをしても、ほとんど注目してもらえませんでした。転職して大手証券会社に勤めていた時は、逆に大組織の中の若造扱いで、なかなか名前もおぼえてもらえませんでした。そして、家業の中小Tシャツメーカーに戻って、30歳そこそこで役員になった時も、社長の息子という扱いで、自分を認めてもらえず寂しい思いをしました。

 ですから「どうすれば、まず注目してもらえるか」そして「正当な評価を受けられるか」悩みに悩んでいました。本来なら、人間の中身で勝負、味わいのある顔(いい顔ではありません)で勝負といきたいところですが、若輩者ゆえ無理なのです。

 そんな中で、知らず知らずのうちに身につけた「目立ち方」「心の通わせ方」があります。ちょっと勇気が要りますが、不遜で無礼なワカモノ=悪い印象と、今時珍しい礼儀正しいワカモノ=好印象との間を行き来しながら、より印象を鮮明にするという「裏技」です。


■不遜で無礼1:風変わりなトレードマークを身につけて登場


 眼鏡であれネクタイであれ、はたまたシャツの色であれ、一風変わったトレードマークは第一印象を強烈にします。

 私は、サラリーマン時代、ありがちなダークスーツを避けて、ちょっと変わった色やスタイルのカジュアルなスーツを愛用していました。朝の通勤時に地下道などを歩いていると、同じ服、同じ暗い表情の人があふれていて怖くなったからです。

 現在は、Tシャツメーカー経営者なので、商談の時はもちろん、大学で講師を勤める時でも、PRを兼ねつつ、ほとんど「Tシャツ姿」です。上には上がいるもので、私が、かつてお会いした大手企業御用達のプランナーは、なんと半ズボン姿でした。

 当然ながら、トンガった服装を見て、先輩世代の多くは「なんと無礼な」という顔をします。大きな会社や役所などでは、受付でも冷たい扱いを受けることになります。「何だこいつは」と、最初は悪い印象を持たれることが、実は印象を鮮明にするために大切だと気づきました。


■礼儀正しい1:美しい笑顔、仕草と、腹式呼吸のきれいな日本語

 もちろん、風変わりでカジュアルな服装で、言葉使いまで乱暴で軽薄だったら、「イマドキのワカモノ」ということで門前払いになってしまうでしょう。ですから、見た目からの予想を裏切る「誰よりも美しいあいさつとさわやかな笑顔」を心がけることが大切です。

 発声や言葉使いも重要です。複式呼吸を心がけ、発声の基本を身につければ、よく通って好印象の大きな声になります。さらに、美しい日本語、特に敬語を使いこなせるようにしましょう。

 そうすれば、「おやっ? 第一印象は無礼に見えたが、会って話してみれば、なかなか礼儀正しくてしっかりしている若者だ」と感じて心にひっかかるはずです。


■不遜で無礼2:普通なら言うのを控える核心を突いた質問

 さらに面談中は「聴き上手」に徹して好感度を高めましょう。人の話をよく聴く若者は少ないからです。

 しかし、真剣に聞けば聞くほど、素朴な疑問も浮かんでくるはずです。そこで、普通なら初対面では聞かないであろう、ひょっとしたら怒られるかもしれない「鋭い質問」をぶつけてみましょう。

 例えば、「○○とおっしゃっていますが、相反する□□もされているのはなぜですか?」といった大胆な質問です。おそらく、○○は企業理念や夢・志に関わることであり、□□は現状の課題である場合が多いでしょう。

 これは、優秀なジャーナリストが「あえて怒りだしそうな質問をして本音を探り出し、その後で意気投合する」のと同じ手法です。むっとされたり、語気を荒げたりされても慌てません。「やはり、このワカモノは失礼だ」と思わって、印象が変わったら、むしろ成功なのです。


■礼儀正しい2:相手の夢と自分の夢を重ねて感謝して退場

 しかし、夢や志が大きく現状とのギャップに真摯に向き合う方であればあるほど、この後で熱く語ってくださるはずです。その場の空気が変わっても怖がらずに、目を見開いて、真剣に聴くことが大切です。

 やがて、話をうまく聴ければ聴けるほど、ご自身の夢や信念に関わる話にシフトしてくるはずです。それに共鳴し、時に質問をしながら、少しずつ自分の今の気持ちや感じたことを短く伝えていきましょう。

 そして、最後には自分の夢についても重ね合わせて、心からのお礼をしましょう。

 「今日のお話は大変勉強になりました。私は将来△△の仕事のプロフェッショナル、リーダーを目指していますが、◎◎様の今日の教えを守っていきたいと思います。今後とも、公私共々ご高導の程よろしくお願い申し上げます。」
 
***

 面談の後は、面談で学んだことを具体的に記したお礼ブログの記事を書いて、その印刷も添えて「手書きのお礼状」を出しましょう。さらに、ご許可をいただいて毎週のメールマガジンを発信することで、ずっとごあいさつを続けたいのです。

 こうして、みなさんの印象は強く刻まれました。「一見無礼で生意気に見えるが、実は、古風で礼儀正しいところもある。むしろ、個性と元気が際立っていて良い」と思ってもらえたら最高です。

 面接や人付き合いのマニュアル本に書かれているようなことをしても、どこでもいるような無難で印象の薄い人にしかなれません。むしろ、セオリーに捕われずに、「生意気」と「礼節」との間を行き来しながら、本音でつきあえる関係を築きましょう。

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 ◎Q3-4:うまくメールや手紙が書けない
 ◎Q3-5:相手の気持ちを動かせない
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 ◎Q4-1:否定されるのが怖い
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2009年03月03日(火)更新

【久米信行新刊】Q4-2:すでにその道で圧倒的な存在がいる

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Q4-2:すでにその道で圧倒的な存在がいる
A4-2:第一人者の力を借りつつ、棲み分けよう


 「あの人にはとてもかなわない」「今さら自分がやっても仕方ない」


 目指している道に圧倒的な強者に立ちはだかっていると、挑戦する前から「やる気を失ってしまう人」が多いかもしれません。しかし、先行する強力なライバルがいることは、悪いことばかりではありません。むしろ、見方を変えれば「ありがたいメリット」もたくさんあるのです。

 例えば、まったく新しい商品やサービスで、これまでにない新しい市場をゼロから開拓する苦労に比べれば、どう考えても楽なはずです。第一人者が自らの力で未開の市場を切り拓いてくれたわけです。また、第一人者が偉大であればあるほど、あきらめるライバルが多くなって、競争も少なくなるはずです。これは、新規参入がしやすくなることを意味します。

 つまり、棲み分けの仕方を工夫しながら、むしろ、第一人者の力を借りて「新境地を容易に開拓すること」もできるわけです。

1.第一人者に師匠になってもらうか、真似をさせてもらう

 まず、第一人者に追いつき自分の底力を付ける最良の手段は、進んで弟子入りすることでしょう。例えば、同じ会社や関連企業に勤めている場合などは、直接、教わることができるはずです。師匠の一挙手一投足がきっと勉強になるでしょう。

 もし、競合会社などに勤めていて弟子入りが難しい場合も、著書、講演、インタビュー、ネット配信などで、その「道」のエッセンスを学ぶことはできるはずです。真似ができるところから「真似ぶ=学ぶ」ことに挑戦しましょう。

 
2.第一人者が切り開いた市場の隙間=顧客の不満を発見する

 業界のリーダーのシェアが圧倒的であればあるほど、大多数に向けた最大公約数のサービスになりがちです。即ち、市場が大きくなるにつれて隙間もできやすくなるのです。 

 ヴァージンレコードの創業者として知られるリチャード・ブランソン氏は、あえて、業界が成熟していて圧倒的なリーダーがいる航空業界に参入しました。そして、独創的なサービスを次々に展開して、これまでの航空会社に不満を持っていた顧客層にファンを増やしていきました。現に、数は限られますが、私のまわりにもヴァージンアトランティック航空の熱烈なファンがいるのです。


3.第一人者ができない限定こだわり商品やサービスを開発する


 圧倒的なナンバー1企業に規模やシェアでは勝てなくとも、特別なお客様に愛されるオンリー1企業になることはできます。

 例えば、オーディオ業界は市場が成熟して、技術革新や価格競争が激しい業界です。しかし、マニアの間では家電メーカーの巨人以上に尊敬されるアキュフェーズという中小国産メーカーがあります。高級アンプにこだわり特化した同社の製品は、今や海外の超高級ブランドと互角以上に評価されているのです。


4.クチコミ・ネットコミで自然に伝えられていく神話を作る


 ナンバー1企業を超える情熱で、神話になるほどの美学や哲学に基づいて経営をすると、クチコミネットコミが広がっていきます。

 例えば、マイクロソフトはパーソナルコンピューターの基本ソフトとして圧倒的なシェアを誇っていますが、依然としてアップルコンピュータのファンは元気です。アップルの特長は、創業経営者スティーブ・ジョブス氏の美学に共感したファンが、時には社員以上に愛情をこめて、その魅力を知人や友人に語っていくことなのです。


5.「守破離」の精神で独自の道を究めて、いつか第一人者を超える

 第一人者の美点を素直に学びながらも=「守」、第一人者ではできない新展開を始めて=「破」、ファンと一緒に独自の美学を徹底的に究めていく=「離」。こうした「守破離」の精神で道を歩むことが、リーダーに追いつき追い越すために大切です。

 もちろん、一朝一夕で実現できることではありません。10年、20年、さらには生涯をかけて取り組むべき「道」でしょう。しかし、第一人者の背中を追いかけることで、ゼロから始めるよりも、はるかに容易にスタートを切ることができます。そして、第一人者ができないことに自分の新しい道を定めることもできるのです。

 ですから、圧倒的な存在がいるようなテーマであっても、自らのチャンスを見いだせる可能性はあるのです。誰もが躊躇していても「すぐやる」×「つづける」ことで、先行する第一人者に近づいていけるのです。

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Q4-1:否定されるのが怖い
A4-1:受け流し、跳ね返し、転じていく


 「何か言うと笑われそう」
 「みんなが白い目で見ている」


 奥ゆかしい日本人の多くは、無意識のうちに「集団に合わせようとするDNA」を持っているのかもしれません。ですから、必要とあらば「出る杭」になることを厭わない私でさえ、新しい集団に入った時には、ついつい人目を気にして緊張してしまうのです。

 もちろん、集団の調和を重んじること自体は、コミュニティを維持したりチームワークを円滑にしたりするのに必要な「美徳」のひとつかもしれません。しかし、集団優先の思考が過剰になって、全員が「ことなかれ志向」「思考停止」に陥ると、今度は組織全体が「変化への適応力」を失って危険な状態になります。

 私が証券会社の営業本部で体験した「バブル崩壊」の直前は、まさにこうした状況でした。誰もが浮かれて、株価上昇の「宴」が永遠に続くような共同幻想を抱いていました。もちろん、おかしいと思った人もいたのでしょうが、誰も言いださないままに暴落へと突き進んでいたのです。

 だからこそ、真のリーダーは、多くの同僚や関係者に否定されることを恐れず「勇気ある直言」をする人を常に探し求めています。そして、自分の側近になってほしいとさえ願っているはずです。

 とはいえ、組織の存亡をかけた「ここぞという時」こそ、誰もが聞く耳を持たない時でもあります。そんな時に、いきなり直言するのは難しいことです。

 ですから、常日頃から、小さな勇気を出して「白い目」を浴びても動じないレッスンをしておく必要があります。「受け流す」「跳ね返す」「転じる」という3つのステップで上達するレッスンを積んで、ここぞという時に備えておきましょう。

1.「受け流す」一定割合の批判を自然の摂理とわきまえて気にしない

 多くの先人が経験則で伝えるように、どんな意見に対しても、平均すれば「2割は賛成、2割は反対、6割はどちらでもない」という割合に落ち着くでしょう。先鋭的な意見であれば、賛成派が減ったり、意見表明が控えられるかもしれませんが、大きくはブレないものです。

 面白いことに、私が経験の浅い若手サラリーマンだった時も、現在の実績を積んだオーナー経営者になった今も、何かを新しいことを言いだした時の「白い目」の割合は、あまり変わらないということです。

 うまく行ったらうまく行ったで、もっと先を行く「過激な意見」を言うからかもしれません。また、実績を積んで成功したからこそ、これまでとは違う「嫉妬」を浴びてしまうこともあるでしょう。

 ですから「自分がダメ」だから白い目を浴びるのではなく「自然の摂理」とはそういうものだと納得すれば安心です。「いつでも一定割合は批判に回る」のだと心しておく必要があるのです。

 だとすれば、「白い目」を、いちいち気にしていても仕方がありません。特に2割の厳しい反対は「受け流す」ことで、2割の賛成意見に「素直に耳を傾ける」ことができるのです。

2.「跳ね返す」あえて変人であることを誇って定評にする

 批判を「軽く受け流す」ことができるようになったら、今度は「確信犯」として、人と違ったことを堂々とする「変人」を目指してみましょう。

 最初は、「変人」を目指すのは「大変な難行」に見えるかもしれません。周囲から、白い目ばかりか、ちょっとした抵抗にも合うでしょう。

 しかし、「変人」暦の長い私の経験では、日本はひそかに「確信犯の変人」に「寛容」な社会です。3ヶ月も変人を続けていると、「あの人は変人だから」と定評が広まって、やがて抵抗がなくなってくるのです。日本特有の集合無意識が、ひょっとしたらみなさんの「覚悟」を試している。そんな試用期間なのかもしれません。

 まずは小さなことから始めましょう。

 例えば、20年近く前に私は丸の内の証券会社の本社に自転車通勤を敢行していました。今では当たり前の自転車通勤ですが、当時は、盗まれないように車輪を1つもってオフィスに入る私を見る目は、変人を見るそれでした。

 また、オフィスビルでの内勤と地下でのランチでは日照時間と運動が足りないことに気づいて、デパートの地下でお惣菜を買って日比谷公園での「おひとり散歩ランチ」を楽しむ生活に切り替えました。もちろん「付き合いの悪いやつ」と白い目を集めましたが、そのおかげでリフレッシュできたため様々なアイディアが浮かびました。

 不思議なことに、3ヶ月ほどで、みんなも「変人ぶり」に慣れ、私自身も「変人と扱われること」に慣れました。そして無意識のうちに、これまでにない潜在的なパワーが私の底から湧きあがるのを感じました。「変人を貫く」ためには、仕事もそれ以上にこなさねばという「跳ね返す強さ」が生まれたからでしょう。

3.「転じる」批判した人ほど最後は応援してくれるありがたさを知る

 こうして「変人」と呼ばれることを厭わず、新しい試みをいくつも試して続けていくうちに、少しずつ流れが変わってくることを体験するはずです。また運良く成功に恵まれることもあるでしょう。

 ここで大切なのが「転じる」心得です。むしろ、当初は批判していた人こそ、積極的に仲間に迎え入れて、成功の果実を分かち合う大きな気持ちが大切なのです。

 もともと批判していた人たちも、みなさんのことが嫌いだったわけではなく、慣れ親しんだことを変えるのが嫌だっただけかもしれません。だとしたら、ひとたび方針が決まったら、誰よりもまじめに辛抱強く守り続けてくれる、応援してくれる=転じる可能性が高いのです。

 これは単なるポジティブ・シンキングではありません。ポジティブが良くて、ネガティブが悪いと考えるのは、「人間の狭いはからい」です。時間の経過と共に、陽転するものもあれば、陰転するものもあるのが「自然の姿」なのです。

 例えば、当初から応援してくれた賛成派の中に、過度に慢心をしたり手柄を自分のものにする人や、多くの人を仲間に巻き込む人のを嫌う人も出てくるものです。こうしたことを嘆いたり怒ったりすることなく、当初の賛成派が調和を乱す方向に「転じる」影響を小さくすることが大切です。ですから変化に先んじて、次の課題に一緒に挑戦するといった気配りをしましょう。

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 こうして、新しいことが始まって形になっていくプロセスを一度でも経験すれば、人生観が変わります。その時に起こる「人の心の大きな変転」の経験則が見えれば、そこであえて「変人を演じる」自分の役割やその意味もわかるからです。

 一時の否定は、この大きな流れの中の、小さくて瞬間的なプロセスに過ぎません。それを恐れずに行動する人こそが、やがて大きな流れを作り出すのです。

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久米 信行 網縁作務処
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ブログ起業論講師@明治大学商学部  
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