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【久米信行新刊】Q4-5:周りの反応がない
10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q4-5:周りの反応がない
A4-5:3つの経験則で2割の同志を遠くで探す
「新しいことをしてもウケない」「職場に元気がなくて沈滞している」
変革の意志とアイディアに恵まれたとしても、みなさんの言動が、職場やサークルなどのコミュニティで、すぐに受け入れられることは稀でしょう。保守的な現場であればあるほど、みなさんの元気は、むしろ煙たがられたり、時には浮いてしまうかもしれません。
これは、まだ若いから地位や権力を手にしていないから起きるわけではありません。オーナー経営者である私も、つい数年前の第二創業プロジェクトでは、有形無形の抵抗を感じました。ですから、生涯つきまとう人生の課題でもあるのです。
こんな時、私は3つの経験則を念頭において、あわてずゆっくり対応していきます。
1 普及学:何でもすぐに飛びつくイノベーターに注目して始め、普及を待つ
ソフト化経済センターの客員研究員時代に、日下公人先生から教わった「イノベーションの普及学」が、こんな時に役立ちます。この本は、1962年に、エベレット・ロジャーズがトウモロコシの新種等がどうやって普及していくか分析したものです。
何かが普及する時に、まず最初は新しもの好きのイノベーターが飛びつき、やがてイノベーターを注目しているリーダー層が始め、やがて情報通のアーリーアダプターが気づいた後で、ようやくフツーの人たちが始めるという経験則です。
私も、株式ゲームソフト、ファイナンシャルプランナー、インターネット、オーガニックコットン、グリーン電力と、目新しいものにいちはやく関与するチャンスに恵まれましたが、当初、身内や世間の評価は冷たいものでした。しかし、3年5年10年と経つうちに、いつしか当たり前になっていったのです。
ですから「周りの反応が冷たい」ということは、「イノベーターやリーダーしか、まだ気づいていない、しかもその中に自分がいる」ことを意味して「幸運」なのです。
2.2:6:2の法則:2割のイノベーター・リーダーを探してつき合う
どんなコミュニティの中であれ、どんなアイディアであれ、2割が賛成、6割は中立、2割は反対という、2:6:2の経験則は、自らの覚悟を決めるのに役立ちます。
しかし、こと新しいことを始める時には、その2割=イノベーター・リーダーは、社外や身内の外にいる場合が多いのです。
インターネットであれ、エコロジーであれ、私は社外の勉強会で多くのイノベーター、リーダーに出会い、その人たちに勇気づけられました。そしていち早く新しいことを始め、それがまたイノベーター、リーダーに評価されるという体験に恵まれました。さらに、その人たちは10年後、それぞれの世界で大活躍する貴重な師匠や仲間になりました。
ですから、周りが冷たい時こそ、イノベーターやリーダーとのご縁を築くための絶好のチャンスと言えます。
3.近親正論反発の法則:身近な人ほど、正しいことほど反発される
これは私が勝手に、自らの体験、そして尊敬する先輩リーダーのお話の中から考えた法則です。
1)近くにいて、いつも会える人には関心が薄い
身近な人ほど関心を持ってくれるというのは幻想です。例えば、多くの尊敬すべき社長ブロガーが、社員や家族にはブログを読んでもらえていないことを嘆いています。また、明治大学の教え子は、ゲスト講師には敬意を払うのですが、私には関心が薄いので訪ねてみたら「先生にはいつでも会えるから」と言われました。
2)近くにいる人に意見を言うと反発する
さらに難しいことには、身近な人と話をする場合は、どうしても理屈よりも感情で判断しがちです。ですから反発されやすい関係性の一番は、夫婦関係、親子関係、兄弟関係でしょうし、続いて、職場での上下関係、同僚関係、親企業下請け関係などでしょう。これは、改革案を客観的に示しているつもりでも、「自分の人間性を攻撃されている」と錯覚されてしまうからでしょう。
3)新しい意見であればあるほど反発する
身近な関係性は、あるバランスで均衡しながら、半ば惰性で続いています。だからこそ、うまくいく一面もあるのですが、その均衡を壊す「新しい意見」が出ると抵抗があります。その改革案が新しければ新しいほど、均衡への影響が大きいと本能的に察知して、大きく抵抗するのではないかと考えています。
4)正論であればあるほど反発する
さらに、その意見をよく考えてみたら「正しい」「正しそう」と感じる場合はやっかいです。まさに、これまでの自分たちが「正しくなかった」と叱られているような気分になってしまうからです。実際には正しいかどうかではなく、時代に合っているかどうかという話で、個人攻撃をしているのではないのですが、そのように取られがちです。
***
こうして考えると、周りの理解がないと嘆く時間があったら、社外のイノベーターやリーダーに出会うべく勉強会にでかけて交流した方が良さそうです。そして、勧められるままに、ひとりで実験してはネットで発信して、さらに同志を増やします。その繰り返し、成果が見えてから、社内にゆっくり導入していくのがスムーズな流れでしょう。
私もこれまでそうしてきましたし、これからも定期的にコミュニティの中で無視され浮いてしまうでしょう。そこで、社外の面白い人たちと新しいことを始めて、最後に組織や地域の改革に役立てていくでしょう。
【バックナンバー】
◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
◎Q2-6:評価軸がわからない
◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない
◎Q3-2:自分より優秀な人とどう付き合えばよいかわからない
◎Q3-3:自分が認めた人にだけ認められたい
◎Q3-4:うまくメールや手紙が書けない
◎Q3-5:相手の気持ちを動かせない
◎Q3-6:叱られると凹む
◎Q4-1:否定されるのが怖い
◎Q4-2:すでにその道で圧倒的な存在がいる
◎Q4-3:誰も自分のことを見てくれない
◎Q4-4:違う世代の人と話や興味が合わない
久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部
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Q4-5:周りの反応がない
A4-5:3つの経験則で2割の同志を遠くで探す
「新しいことをしてもウケない」「職場に元気がなくて沈滞している」
変革の意志とアイディアに恵まれたとしても、みなさんの言動が、職場やサークルなどのコミュニティで、すぐに受け入れられることは稀でしょう。保守的な現場であればあるほど、みなさんの元気は、むしろ煙たがられたり、時には浮いてしまうかもしれません。
これは、まだ若いから地位や権力を手にしていないから起きるわけではありません。オーナー経営者である私も、つい数年前の第二創業プロジェクトでは、有形無形の抵抗を感じました。ですから、生涯つきまとう人生の課題でもあるのです。
こんな時、私は3つの経験則を念頭において、あわてずゆっくり対応していきます。
1 普及学:何でもすぐに飛びつくイノベーターに注目して始め、普及を待つ
ソフト化経済センターの客員研究員時代に、日下公人先生から教わった「イノベーションの普及学」が、こんな時に役立ちます。この本は、1962年に、エベレット・ロジャーズがトウモロコシの新種等がどうやって普及していくか分析したものです。
何かが普及する時に、まず最初は新しもの好きのイノベーターが飛びつき、やがてイノベーターを注目しているリーダー層が始め、やがて情報通のアーリーアダプターが気づいた後で、ようやくフツーの人たちが始めるという経験則です。
私も、株式ゲームソフト、ファイナンシャルプランナー、インターネット、オーガニックコットン、グリーン電力と、目新しいものにいちはやく関与するチャンスに恵まれましたが、当初、身内や世間の評価は冷たいものでした。しかし、3年5年10年と経つうちに、いつしか当たり前になっていったのです。
ですから「周りの反応が冷たい」ということは、「イノベーターやリーダーしか、まだ気づいていない、しかもその中に自分がいる」ことを意味して「幸運」なのです。
2.2:6:2の法則:2割のイノベーター・リーダーを探してつき合う
どんなコミュニティの中であれ、どんなアイディアであれ、2割が賛成、6割は中立、2割は反対という、2:6:2の経験則は、自らの覚悟を決めるのに役立ちます。
しかし、こと新しいことを始める時には、その2割=イノベーター・リーダーは、社外や身内の外にいる場合が多いのです。
インターネットであれ、エコロジーであれ、私は社外の勉強会で多くのイノベーター、リーダーに出会い、その人たちに勇気づけられました。そしていち早く新しいことを始め、それがまたイノベーター、リーダーに評価されるという体験に恵まれました。さらに、その人たちは10年後、それぞれの世界で大活躍する貴重な師匠や仲間になりました。
ですから、周りが冷たい時こそ、イノベーターやリーダーとのご縁を築くための絶好のチャンスと言えます。
3.近親正論反発の法則:身近な人ほど、正しいことほど反発される
これは私が勝手に、自らの体験、そして尊敬する先輩リーダーのお話の中から考えた法則です。
1)近くにいて、いつも会える人には関心が薄い
身近な人ほど関心を持ってくれるというのは幻想です。例えば、多くの尊敬すべき社長ブロガーが、社員や家族にはブログを読んでもらえていないことを嘆いています。また、明治大学の教え子は、ゲスト講師には敬意を払うのですが、私には関心が薄いので訪ねてみたら「先生にはいつでも会えるから」と言われました。
2)近くにいる人に意見を言うと反発する
さらに難しいことには、身近な人と話をする場合は、どうしても理屈よりも感情で判断しがちです。ですから反発されやすい関係性の一番は、夫婦関係、親子関係、兄弟関係でしょうし、続いて、職場での上下関係、同僚関係、親企業下請け関係などでしょう。これは、改革案を客観的に示しているつもりでも、「自分の人間性を攻撃されている」と錯覚されてしまうからでしょう。
3)新しい意見であればあるほど反発する
身近な関係性は、あるバランスで均衡しながら、半ば惰性で続いています。だからこそ、うまくいく一面もあるのですが、その均衡を壊す「新しい意見」が出ると抵抗があります。その改革案が新しければ新しいほど、均衡への影響が大きいと本能的に察知して、大きく抵抗するのではないかと考えています。
4)正論であればあるほど反発する
さらに、その意見をよく考えてみたら「正しい」「正しそう」と感じる場合はやっかいです。まさに、これまでの自分たちが「正しくなかった」と叱られているような気分になってしまうからです。実際には正しいかどうかではなく、時代に合っているかどうかという話で、個人攻撃をしているのではないのですが、そのように取られがちです。
***
こうして考えると、周りの理解がないと嘆く時間があったら、社外のイノベーターやリーダーに出会うべく勉強会にでかけて交流した方が良さそうです。そして、勧められるままに、ひとりで実験してはネットで発信して、さらに同志を増やします。その繰り返し、成果が見えてから、社内にゆっくり導入していくのがスムーズな流れでしょう。
私もこれまでそうしてきましたし、これからも定期的にコミュニティの中で無視され浮いてしまうでしょう。そこで、社外の面白い人たちと新しいことを始めて、最後に組織や地域の改革に役立てていくでしょう。
【バックナンバー】
◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
◎Q2-6:評価軸がわからない
◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない
◎Q3-2:自分より優秀な人とどう付き合えばよいかわからない
◎Q3-3:自分が認めた人にだけ認められたい
◎Q3-4:うまくメールや手紙が書けない
◎Q3-5:相手の気持ちを動かせない
◎Q3-6:叱られると凹む
◎Q4-1:否定されるのが怖い
◎Q4-2:すでにその道で圧倒的な存在がいる
◎Q4-3:誰も自分のことを見てくれない
◎Q4-4:違う世代の人と話や興味が合わない
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