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2009年03月22日(日)更新

【久米信行新刊】あとがき

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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 この本は「考えすぎて動けない人のための『すぐやる!技術』」の続編です。

 すぐやる技術が少しずつ習慣となり、人生が楽しく変わりつつある人たちに、特に読んでいただきたい本です。せっかく好転しつつある人生をさらに加速し、自分の進化を実感して、より確実なものにして欲しいからです。

 そのためには「生涯の師に出会い選ばれ認められる」ことが欠かせません。

 ありがたいことに、前著「すぐやる技術」は想像を超えるベストセラーになりました。全国で開催された、若者向け、さらには経営者向けの「すぐやる技術」セミナーには多くの人が参加してくださり、熱い感想を寄せてくださいました。

 そもそも現場で実体験を積み重ねることを重んじ、自己啓発本に懐疑的だった私は、この予想外の反応に驚きました。逆に、考え過ぎて動けない人、ごく当たり前の習慣を身につける機会がなかった人が、いかに多いのかを知りました。

 そこで、今一度、修羅場続きだった我がささやかな半生にヒントはないかと思い起こしてみました。特別な能力を持ち合わせていない私が、数々の苦難の乗り切り、気がつけば面白おかしく人生を送れているのは、なぜなのでしょうか?
 それは、もがき苦しむ中で、まさに生涯の師と呼ぶ数多くの先輩に出会って教えを受け、「縁」「運」「勘」に恵まれたからに他なりません。その時々に、様々な師匠から教えを受けるのがありがたく、一緒に仕事をするのがうれしくて仕方がありませんでした。滅多にないことですが、師と仰ぐ人に褒められれば、それこそ最高のごほうびであり、そのために頑張っている自分がありました。

 有名無名を問わず尊敬する師に認められることは、人生の大切なプロセスであり、ゴールそのものでもあると、今では実感しています。

 十人の生涯の師に恵まれれば、人生は豊かで実り多いものになると、私は教え子たちに繰り返しています。しかし、私が師と仰ぐ人たちは、今やその十倍以上にもなるのです。わが敬愛する師のみなさまが、この本をお読みいただければ、私に授けてくださった教えの数々を行間から見いだすことができるでしょう。非力な私をこれまで導いてくださったご恩は決して忘れることができません。

 ありがたい師の恩に報いるためにも、これからの半生は、師から教えられた「道」の一端を、後世を担う若者たちに伝えていきます。「認められる若人」だけではなく「認めてあげられる大人」を一人でも増やすのが使命だと心します。

 今、ここ雪の志賀高原一の瀬では、今年一番の強風が吹き荒れています。これは今の世界を取巻く環境にも似ているかもしれません。しかし、このホテルのロビーには、オーナー親子が高原をくまなくあるいて描いた四季おりおりの風景画が並んでいます。その中には厳しい冬の景色や見落としがちなアングルも多く、どんな逆境であれ日陰の植物であれ、見方を変えれば美しく見えることを教えてくれます。そして、やがては、新たな歓喜の春が、熱情の夏が、収穫の秋が訪れることを、それぞれが代えがたい美を秘めていることを思い出させてくれます。

 こんなご時世であっても、あなたの中にある真善美を見いだして認めてくれる人は「きっといるはず」です。それを信じて新しい一歩を踏み出しましょう。

 わが師への心からの感謝をこめて 
 みなさまの飛躍と輝かしい未来を信じて       
                            
                      シャレー志賀にて 久米 信行


【バックナンバー】
 ◆今春出版予定! 久米信行さん著書第二弾を当ブログで連載開始!!
 ◎まえがき
 ◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
 ◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
 ◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
 ◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
 ◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
 ◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
 ◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
 ◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
 ◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
 ◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
 ◎Q2-6:評価軸がわからない
 ◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない
 ◎Q3-2:自分より優秀な人とどう付き合えばよいかわからない
 ◎Q3-3:自分が認めた人にだけ認められたい
 ◎Q3-4:うまくメールや手紙が書けない
 ◎Q3-5:相手の気持ちを動かせない
 ◎Q3-6:叱られると凹む
 ◎Q4-1:否定されるのが怖い
 ◎Q4-2:すでにその道で圧倒的な存在がいる
 ◎Q4-3:誰も自分のことを見てくれない
 ◎Q4-4:違う世代の人と話や興味が合わない
 ◎Q4-5:周りの反応がない
 ◎Q4-7:実力をつけてからデビューしたい
 ◎Q5-1:もともと前に出るような性格ではない
 ◎Q5-2:努力しても結果が出ない
 ◎Q5-3:「認められる自分」で居続けることに疲れる
 ◎Q5-4:誰も本当の自分をわかってくれない
 ◎Q5-5:人見知りだけど、仲良くなりたい
 ◎Q5-6:他人に誇れるものが何もない

2009年03月21日(土)更新

【久米信行新刊】まえがき

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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「選ばれる自分になる。
 生涯の師に出会う。認められる。」


 これは、私が講師を勤める明治大学商学部「ベンチャービジネス論」「起業プランニング論」のモットーです。毎回、全員で起立をしてあいさつをした後、このモットーを大きな声で唱和してから講義を始めるのです。

 今どき全員でモットーを唱和するなど、時代遅れだと思う方も多いでしょう。開講まもなく脱落する学生が多いのも「古くさい儀式」が一因かもしれません。

 それでも、私が、毎回「選ばれる自分になる」と、わざわざ声に出してもらうのには理由があります。

 将来、好きな会社に入ってやりたい仕事を始める時にも、好きな人と出会って理想の家庭を築く時にも、「選ばれる自分になる」ことが何より大切だからです。それなのに、「選ばれる自分」とは何かを真剣に考える機会もなければ、その方法を教わる機会も方法もないのです。

 さらに「生涯の師に出会い認められる」ことは、人生をステップアップさせる「最大のチャンス」であると同時に「人生最大の喜びのひとつ」でもあります。ところが、多くの人は「生涯の師に出会う」こともなければ、「認められる」喜びも味わうことなく、人生を漫然と過ごしてしまいます。
 
 インターネットなどで出会いや交流の機会が飛躍的に増えたのに、「選ばれないまま認められないまま」終わるのは、あまりにも「もったいない」ことです。

 だからこそ、講義のたびに声に出すことで、「選ばれる自分になること」「生涯の師に認められること」の大切さをしっかり胸に刻んでもらいます。1年間の講義のゴール=を毎回自覚してもらうことが大切なのです。

 実際には「選ばれる」ことも「認められる」ことも、多くの人が考えるほど難しいことではありません。現に、わずか1年足らずの講義と実践を通じて、「生涯の師に出会って認められた」学生は後を絶ちません。

 まるで別人のように変わった学生たちは、決して特別な才能に恵まれた人ばかりではありません。受講開始直後の学生たちの自己紹介を見れば、明るく積極的で行動的なタイプはむしろ少数派だと驚かれるはずです。

 言うなれば、「すぐやる技術」を真っ先に身につけて欲しい「考え過ぎて動けない人」であり、続いて「選ばれ認められる技術」で明日を切り拓いてほしい「控えめで自分を出せない人」がほとんどだったのです。

 この本で紹介する技術は、知識も経験も限られ、人前で話すのも苦手だった若者たちが、1年をかけて身につける「新しい習慣」の集大成です。講義でアドバイスしたことを中心にQ&A形式でわかりやすくまとめました。さらに、既に社会に旅立った卒業生にも「壁にぶつかって挫折しそうな時」に読んで欲しい新項目も付け加えました。

 難しいことは、おかげさまで大好評をいただいた前著「すぐやる技術」と同様、ほとんど書いてありません。むしろ、成功した人たちから見れば「当たり前すぎるほど当たり前のこと」も多いでしょう。

 しかし、30のレッスンで、気持ちを楽にして、ひとつずつ習慣にしていけば、きっと「選ばれる自分」「認められる自分」に近づいていけるはずです。

 そして、前著と同様に、多くの経営者やマネージャーにも読んでもらえたら嬉しいです。今どきの若い人たちの悩みを知り、上司の「選ぶ力」「認める力」を高めることで、きっと新しい大きな動きを巻き起こせるからです。

 それでは、さっそく「選ばれる自分」「認められる自分」に出会う旅にでかけましょう。

 2009年5月  
                            著者

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 ◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
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 ◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
 ◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
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 ◎Q3-4:うまくメールや手紙が書けない
 ◎Q3-5:相手の気持ちを動かせない
 ◎Q3-6:叱られると凹む
 ◎Q4-1:否定されるのが怖い
 ◎Q4-2:すでにその道で圧倒的な存在がいる
 ◎Q4-3:誰も自分のことを見てくれない
 ◎Q4-4:違う世代の人と話や興味が合わない
 ◎Q4-5:周りの反応がない
 ◎Q4-7:実力をつけてからデビューしたい
 ◎Q5-1:もともと前に出るような性格ではない
 ◎Q5-2:努力しても結果が出ない
 ◎Q5-3:「認められる自分」で居続けることに疲れる
 ◎Q5-4:誰も本当の自分をわかってくれない
 ◎Q5-5:人見知りだけど、仲良くなりたい
 ◎Q5-6:他人に誇れるものが何もない

2009年03月21日(土)更新

【久米信行新刊】Q5-6:他人に誇れるものが何もない

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q5-6:他人に誇れるものが何もない
A5-6:何にもなくとも立派に役割を果たせる


 「生まれつきの才能に恵まれていない」
 「どんなスキルも中途半端な感じがする」


 何かに秀でたスペシャリストを目にするたび、落ち込んでしまう人も多いでしょう。また同じ努力をしているのに先を行ってしまう同僚や後輩の背中を見て、思わずため息をついていることも多いのかもしれません。

 実のところ、私も特別な才能には恵まれていません。何かの専門スキルや特別な資格を持っているわけではありません。むしろ、私ごときが、経営者や大学講師をしていて良いのだろうか、講演や著述、さらには公益団体の役員や審査委員などを引き受けて構わないのだろうかと、いつもビクビクしていました。

 もちろん、今でも大丈夫だろうかと首をかしげることがあるのです。しかし、そんな不安に襲われた時には、多くの先輩から教わったメッセージを思い出します。

「人に誇れるものがない人は、ない人なりに大いに役割を果たせる」

 たしかに、こんな私でも心がけひとつでできることがあるのです。 
 
1.どんな人でも、大きないのちの調和の一部である

 仏教の教えの中に「山川草木ことごとく仏性あり」という言葉があるそうです。文字通り、山や川に、草や木に、即ち、あらゆるものに尊い性質があるという意味です。

 この言葉を引用して、「誰にでも仏性があるのだから、熱心に修行をしたり徳を積んだりして、自分を磨きなさい」と説く人も多いようです。

 しかしわが心の師、大雄山最乗寺の故 余語翠厳老師の解釈は違いました。

「修行などしなくとも、そのままで仏性がある。自然の中では、ちゃんと過不足なく調和が取れている。」
「ただ、修行をしてもらった方がお寺としてはありがたいから、そういうのだろう。」
 
 「花が尊くて、雑草が尊くないというのも人間の勝手な計らいに過ぎない。どんなものにも、天地いっぱいの命が現じている。時とともに形を変えながら、いつも調和が取れている。そう考えれば、安心して生きられる。」

 老師の言葉の数々は衝撃的で今も忘れられません。この大きな考えに触れてからは、「地位やスキルが高ければ偉い」「自分を磨くためにがんばらなくてはならない」いった凝り固まった考えが消えました。そして心が、ふっと軽くなり、肩の力が抜けました。すると、不思議な事に、「自分がその時々でできることを自然体でやろう」という新しい力が湧いてきたのです。


2.中途半端だからこそ危機意識が強く、新たな発想を求められる

 経営にせよ、IT活用にせよ、私は何かと「中途半端な力」しか持ち合わせていません。それがコンプレックスになっていたこともあります。しかし、今では「中途半端だからこそできること」を知っています。

 まずは、誰もが認めるようなスキルや資格を持っていないために、常に「強烈な危機意識」が常に働きます。普通の仕事の進め方では有能なスペシャリストに勝てないことを誰よりもよく知っているわけです。

 つまり、専門家では思い浮かばない突飛な発想をすること、異質なものとの組み合わせること、徹底的に相手を研究して対応することなどが求められるのです。また、一人では勝てないので、自分より優秀な人たちと一緒に仕事をすることを第一に考えます。

 例えば、直球のスピードだけでは勝てないピッチャーは、変化球をおぼえて、相手を研究した上で最適の投球術をしなければなりません。さらに、打たせて取るピッチングをするため、野手を信頼してチームプレーにも徹しなくてはならないのです。

 中途半端な自分だからこそ、人より敏感に危機を感じ取り、人よりも事前の研究を重ねることができます。その結果、人より斬新なアイディアに行き着いて、人より達人の力をうまく束ねることで、時には専門家も驚くような業績をあげることができるのです。
 

3、誇れるものがないからこそ自在に動けて接着剤になれる

 自分自身とその仕事や会社に誇りを持つことは大切なことです。誇りがあるからこそ、つらいことにも耐え、易きこと悪しきことにも手を染めずに「自分の道」を貫けるからです。

 しかし、せっかくの誇り高さも、一歩間違えば「頑固さ」や「わがままで人を寄せつけない働き方」に結びついてしまうことがあります。それでは、「個」の力を広く結集しながら問題を解決していく「ネットワーク時代」には対応できません。

 これから本当に必要な心構えは、むしろ「自分自身の誇り」より「長期的で社会的な大きな目標を達成しようとする誇り」なのです。そして、「自分たちの組織」に捕われずに、「その時その場に合った最もやる気と能力に満ちた人たち」を集める「柔らかい組織と働き方」のお膳立てをする能力こそが求められているのです。

 そこに集まる人は、誇れる専門能力に長けたスペシャリストかもしれません。しかし、その人たちに気持ちよく働いてもらうリーダーは、「スペシャリストでないがゆえに、誰よりも素直にスペシャリストに敬意を払える人」だと思うのです。

 「あの人はすごい。だから一緒に働きたい。存分に力を発揮して欲しい。」

 とかく、能力がある人ほど「自分が自分が、会社が会社が」と思いがちなものです。そんな中で「素直にスペシャリストの能力を評価できて、心からの拍手を送れる人」は、これもまた特別な能力を持ったスペシャリストでしょう。

***

 誇れるものがない人など、実は誰もいないのです。無理して目立つ事をしなくとも、「一隅を照らして」自分の与えられた仕事を「凡事徹底」することは、今まさに多くの人が「できそうでできないこと」なのです。そして、「自分より優秀な人たち」に慕われて「優秀な人たちだけではできないこと」を紡ぎだすのも、実は「誇れるものがない」ことをよく肝に銘じている人たちなのです。

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 ◎Q5-5:人見知りだけど、仲良くなりたい

久米 信行 網縁作務処
国産オリジナルTシャツ@久米繊維
グリーン電力×オーガニックコットン×アート@T-galaxy.com
ブログ起業論講師@明治大学商学部  

2009年03月19日(木)更新

【久米信行新刊】Q5-5:人見知りだけど、仲良くなりたい

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Q5-5:人見知りだけど、仲良くなりたい
A5-5:一見元気な大人物ほど人見知りが多い


 「人前に出ると自分を出せない」
 「本当は仲良くなりたいのだけれど」


 色々言いたい事があっても、いざ、その人の前に行くと話せない。本当はもっと仲良くなりたいけれど、その場限りになってしまう。

 明治大学の教え子たちの多くは、そんな人見知りの若者たちです。しかし、不思議なことに1年間の講義と実習で、別人のように変わる生徒も少なくありません。

 それは、色々な現場体験あるいは修羅場体験の賜物なのですが、中でも、尊敬する経営者などに接して「一対一で向かい合う体験」を重ねて自信をつけたことが一番の原因でしょう。

 そして、学生たちは、人見知りも1つの才能であることに気づいたようです。
 
1.一見元気な大人物ほど人見知りで寂しがり

 大人物は、一見すると根っから明るい、いつでも元気な人をイメージしがちです。しかし、実際に接して見ると、人見知りでシャイな側面もお持ちになっていることに驚くことがあります。

 尊敬するイマジニア時代の師、神蔵孝之さんは、大人物から愛されるお人柄の持ち主でした。そして、私によく教えてくれたのは「偉大な人物ほど、さびしがり屋が多い」ということでした。それは社会人になったばかりの私にとっては大きな驚きでした。

 たしかに、大人物ほど、自分の周りにいる人はイエスマンかおべっか使いばかりが増えて、どうしても孤独になりがちです。近づく人は、自分の地位、権力、名前、お金などを利用しようとしている人ばかりに思えてきて、どうしても疑心暗鬼になるのです。

 また、苦労を重ねた自分が見えている世界と、多くの人が見ている世界のギャップにも悩まされるでしょう。それなのに、外から「きらびやかなイメージ」で彩られて、「内面を見つめてもらえなく」なっていきます。

 つまり、社会的に成功すればするほど、よほど留意しない限り、心から語り合える友人が少なくなってしまうのです。

 ですから、大人物であっても、自分と相似形の悩み=「人見知りで本当の友人が欲しいと思っている」ことを知ることが、まずは大切です。そうして、素直に弟子入りする敬意と、一対一の生身で向き合う覚悟があれば、年令や地位・役職を超えた友情が芽生えることも珍しくないのです。


2.人見知りだからこそ相手の気持ちに響ける

 さらに人見知りだと良いこともあります。一度、大きな病気に悩んだことがある人が、病気で苦しんでいる人に共感して優しくなれるのと同じように、人見知りをする人の気持ちが良くわかるのです。

 20世紀型の同質化された大量消費、ハード中心の高度成長社会では、明るく元気な人ばかりでも良かったかもしれません。しかし、これからの一人十色の多品種少量消費、ソフト中心の成熟社会では違います。

 人見知りの心の奥になる個性や独創性の中に、次代のヒントがあることも少なくないのです。大組織や同質社会では埋もれがちだった「静かな異質性」こそが、停滞した状況を動かす原動力になるのです。

 あえて、大声で話しているメンバーばかりの話の輪にいなかったからこそ、人見知りだったからこそ、見えるもの、会える人があります。あえて中心にいる目立った人ばかりでなく「ちょっと変わった人見知りの人たち」に真摯な関心を寄せてみてはいかがでしょう。


3.人見知りだからこそずっと仲良くなっていたい

 逆説的な言い方ではありますが、いつでも誰とでも友だちになれる人は、一生涯の友だちを作ろうという動機は小さいかもしれません。しかし、人見知りの人は、勇気を出して声をかけ、ようやく意気投合できた友人を、もっと大切にするはずです。

 実は人見知りが激しい私も、メールやブログの助けもあって、幸運にも友だちを超える縁者がたくさんできました。しかし、今は、友だちの数が多いことは決して幸せなことではないとも感じています。

 人生の時間も、自分の能力も限られている中では、緊密におつきあいできる友だちの数は限られているのです。それ以上、人数が多くても、かえって気遣いが増えたり、大切な親友に不義理をしたりして、悩みが増えてしまうからです。

 また、既に長く親しくおつきあいをして、これから生涯にもわたってつきあいたい親友との関係を振り返ると、ふと気づくことがあります。それは、決して、毎週のように会ってオモシロおかしく過ごしているわけではないのです。

 多くても月に1回、ひょっとしたら年に1回しか会わない人もいます。それでも、時々交わすメールやブログの力もあって、いざ会った時には、身近な人以上に親しみをおぼえます。そして、お互いの変化や進化を認めて喜び合った上で、大きな影響を与え合うこともできるのです。

***

 人見知りは、決して恥じることでも嘆くことでもありません。むしろ、大きな影響力を持つ人、これから持つであろう人たちと「コミュニケーションしやすい特殊能力」だとも言えるのです。そのありがたさにさえ気づけば、自分の中にある大きな力が動き始めるでしょう。

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2009年03月18日(水)更新

【久米信行新刊】Q5-4:誰も本当の自分をわかってくれない

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Q5-4:誰も本当の自分をわかってくれない
A5-4:今の自分を捨ててこそ本当の自分に出会える


 「何で本当の自分を理解してくれないのか」
 「わかってくれない人とはつきあいたくない」


 誰しも、周りにいる人たちが「自分を理解してくれないこと」に悩む時期があるでしょう。そんな時は、孤独な気分にさいなまれて、社会や周りの人たちへの関心まで失ってしまいがちです。

 かつては、私も、そんな袋小路に迷い込んだことがありました。今思えば「本当の自分」と言えるような個性も実力もなかったのに、妙にプライドだけが高かったのでしょう。

 しかし「本当の自分」について、3つの新たな視点を持つことで、誰からも理解が得られないと思い悩む「つらい日々から開放」されました。
 

1.「本当の自分」に見えるのは、自己中心的な「ちっぽけな自我」

 今となっては「本当の自分」なるものに、とらわれることもなければ、さしたる興味さえありません。かつて「本当の自分」だと考えていたものは、幼い自分の「わがままな自我」に過ぎないことがわかったからです。

 「自分を見て」とか「誰もわかってくれない」とか不平不満をこぼしている時は、他人よりも自分のことばかり考えているケースが多いのです。そんな自己中心的で、周囲との良好な関係を築けていない時には、残念ながら「本当の自分」が目覚めることはないでしょう。

 皮肉なことに「本当の自分」に出会いたいなら、「本当の自分」への理解を求める努力をやめた方が得策なのです。そのかわりに、日々出会う人たちを理解しようと注力する方が早道なのです。

 誰しも、自分に真摯な関心を寄せてくれる人には、悪い気がしないでしょう。やがて、興味をもってくれたみなさんに対しても関心が湧いてきて、いつしか親しい縁者が増えてくるはずです。

 こうして生まれた新しい縁者たちには、これまでの「自己中心的な自分」とは、まったく違った「本当の自分」が見えているはずです。


2.「本当の自分」は、成長や進化に合わせて変わり続ける


 思い返せば、今、私が「自分」だと感じているものと、10年前に考えていた「自分」とは似て非なるものです。

 もちろん、好きなものやことが大いに広がり中身も変わりました。例えば、私が生まれ育った墨田区にこんなにも愛着が湧いてきて、観光や地域振興のボランティア活動に懸命になるとは思いませんでした。

 また、得意な仕事や趣味の中身も腕前も進化しました。そう言えば、今や私のライフワークであり講義テーマのひとつでもあるブログやメルマガは、私が若い頃にはこの世に存在していなかったわけです。

 ですから、「本当の自分を理解してくれない」と、その時々で心配する必要はありません。「本当の自分」は、時間の経過と自分の成長に合わせて、少しずつ変化と進化を繰り返すようにできているからです。


3.「本当の自分」は、白露のように透明で周りを美しく輝かせる


 「本当の自分」は「自分だけの個性で輝く」という考えも、今では錯覚だったと思っています。

 私が尊敬する非まじめなロボット博士 森 政弘先生が、かつて「自分の理想は白露(しらつゆ)である」と明言されたことがありました。「白露は、赤い花の上にある時は美しい赤色を映し、緑の葉っぱの上にある時はみずみずしい緑色を映し出す。そんな透明な存在になりたい。」

 個性豊かで独創的な先生が、そうおっしゃったのは衝撃的でした。なぜなら、「本当の自分」は、誰とも似ていない鮮やかな色をしていて、周りの人の色を隠したり目立たなくしてしまうと、私は勘違いしていたからです。

 しかし、今では、森先生の言いたいことも少しはわかるようになりました。最近では、社員や教え子たちが、私が教えた通りに何かをするよりも、自主的に私の想像を超える仕事をしてくれた方が「何倍もうれしいこと」に気づいたのです。

 まさに「自分自身が輝くよりも、自分が接した人たちがより一層輝く」ような触媒になった方が、気持ちよく大きな仕事ができると学ぶことができました。

***

 たとえ今、本当の自分に理解を示す人がいなくとも腐らずに、むしろ周りの人を喜ばせる心配りを続けましょう。やがて「自己を習うというは自己を忘れることなり」という境地になった時、きっと大きな一体感と充実感を感じることができるはずです。

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2009年03月15日(日)更新

【久米信行新刊】Q5-3:「認められる自分」で居続けることに疲れる

10万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております!
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Q5-3:「認められる自分」で居続けることに疲れる
A5-3:無分別×無欲の大欲×無作為の作為で行こう


 「いつも人目を気にするのは疲れる」「自分を飾っていてはリラックスできない」


 多くの人に「認められる」ためには、最初のうちは「自分を作る」努力が必要でしょう。だから、「認められる自分」と「本来のリラックスした自分」とのギャップに悩むことがあるかもしれません。

 たしかに、私も、さまざまな職場で、お客様の前と、そうでない時に言葉遣いから人格まで明らかに変わってしまう人を見ました。極端な例で言うと、さっきまでお客様と笑顔で接していたのに、お帰りになった途端ムスッと不機嫌になって周りに当たり散らすような人もいました。

 しかし、今では、そんな人を見ると、逆に「疲れるだろうな」「ストレスがたまるだろうな」と同情したくなります。なぜなら、「認められる自分」が「本来の自分」と一致した「自然体」こそが、身も心も一番「楽」な上、まわりの人たちも幸せな気分にしてくれると知っているからです。

1 無分別:公私混同、オンでもオフでも「和顔愛語」なら疲れない

 今の私は、特別な「認められる自分」を作りもしなければ、「ふだんの自分」と区別もしません。若かりし辛い頃は、無理に笑おうとして疲れもしましたが、今では、いつでも程々にニコニコしているので疲れません。

 さらに、お仕事モードとお遊びモードを分けることもしなければ、大切なお取引先の社長と、偶然立ち寄った食堂のおばちゃんとの接し方も変わりません。

 なぜなら、その方が「楽」で「楽しい」ことに気づいたからです。いちいち場合分けをして接し方を区別していては疲れます。また出会いにも縁にも飛躍的に恵まれているインターネット時代のスピード感についていけません。

 それに、商売になる時だけニコニコしているのは「人として卑しい気分」がしますが、いつでも誰にでも優しい言葉をかけられれば、そんな悩みから開放され、自分に誇りが持てます。

 もちろん、体調や気分が良い時悪い時もありますが、その時はその時で「自然な波」に任せて、ほどほどに笑顔を浮かべます。あえて、調子が悪い時に、無理やり元気を出すと長続きしないのです。

 こうしていつも自然体でいれば、周りの人たちも「裏表の無い人」「いつもニコニコしている人」と「認めて」くれて、結果として対人関係まで楽になるのです。


2.無欲の大欲:目先の自分の利益よりも、大きな夢みんなの夢

 不思議なことですが、「認められよう」とか「のし上がろう」といった欲を無くせば無くすほど「大きな力」が湧いてきます。しかも、そんな「内なる力」に加えて、思いがけない「外からの力」も加わるので、楽で長続きするのです。

 かつて、私にも「儲けたい」「稼ぎたい」といった「自分自身のための目先の小さな欲」を満たそうと、もがいていた時期がありました。おそらく、外から見れば「自分が自分が」としゃしゃりでる「我の強い若僧」に見えたでしょう。

 しかし、そんな時は、なぜか空回りをしていて力が出ず、周囲の協力も得られませんでした。たまたま目先のゴールをクリアしても思ったような達成感が得られず、モチベーションを維持することも難しいのでした。

 ところが、幸いにも、インターネットでお互いを無償で褒め合い応援し合う文化に触れて、目からウロコが落ちました。また、社員を信じて積極的に仕事や情報発信を任せると大いに成長して、それが自分の成長よりも楽しいこともわかりました。

 さらに、最近は、生まれ育った郷里の活性化や、大学高校での講師などの公的なボランティア活動に関わることも増えました。そして、自分より地元、そして未来の子供たちのことを優先すると、思いがけない力が湧いてきたり集まってきたりして、特別な充実感と喜びで満たされることも学びました。

 つまり、自分のためよりは、家族のため社員のため、さらには縁者のため地域のために仕事をした方が、心が満たされて大きな力が湧いてくるのです。そして、目先の利益よりは10年後のことを、さらには未来の子供たちのことを考えて行動する方が協力も集まって、楽しく長続きすると実感したのです。

 無欲の営みを繰り返すと、自分も物心両面で豊かになっていくこともありますが、それはあくまでも結果です。むしろ、無欲の大欲の精神で、みんなの笑顔に囲まれながら力を結集して、新しい挑戦を続けていくプロセス自体が最大の喜びなのです。


3 無作為の作為 自分とみんなが喜ぶことを続けて自動化習慣化

 スキーやギター、ブログやメルマガなどの、生涯続けたいと思っている趣味を通じて、私は多くを学びました。上達のプロセスでは、何度も壁にぶつかりますが、自分とみんなを喜ばせるために粘り強く練習を続けました。すると不思議なことに、気がつけば「意識しなくてもできるように自動化」されてしまうのです。

 さらに、ありがたいことに、一度、体でおぼえこんだものは「習慣化」します。「意識して続ける」というより「無意識に続けられる」ようになり、さらには「続けないと気持ち悪い」とさえ感じるようになります。

 例えば、ジョギングやジム通いを習慣化している人なら、「仕事帰りや休みの日に大変そう」と人からは思われていることが、本人にとって「行かないと気持ち悪い、調子が悪い」ことだと納得していただけるでしょう。

 認められる技術も、一見すると「常に意識して行動する=作為的なこと」に見えますが、実は体におぼえ込ませて「常に無意識で行動できる=無作為的なこと」なのです。

 つまり、いくつかのハードル=新しい技術習得=を超えながら粘り強く続けているうちに、「自動化」「習慣化」されていきます。意識しないでも続くようになればもう疲れません。最初に考えるほど、はた目から見るほど「認められ続ける」ことは大変ではないのです。


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 ◎Q1-1:自分の好みを出すのが恥ずかしい
 ◎Q1-2:自分が思っているよりも周りからの評価が低い
 ◎Q1-3:失敗して笑われるのが嫌だ
 ◎Q1-4:言いたいことを伝えるのが苦手だ
 ◎Q1-5:「柄にもない」と言われそうでイヤだ
 ◎Q2-1:「空気」を気にしすぎてしまう
 ◎Q2-2:保守的な人に足を引っ張られる
 ◎Q2-3:アピールの仕方がわからない
 ◎Q2-4:実績をアピールするのが嫌味に感じる
 ◎Q2-5:「調子に乗っている」と思われたくない
 ◎Q2-6:評価軸がわからない
 ◎Q3-1:自分に興味を持ってくれる気がしない
 ◎Q3-2:自分より優秀な人とどう付き合えばよいかわからない
 ◎Q3-3:自分が認めた人にだけ認められたい
 ◎Q3-4:うまくメールや手紙が書けない
 ◎Q3-5:相手の気持ちを動かせない
 ◎Q3-6:叱られると凹む
 ◎Q4-1:否定されるのが怖い
 ◎Q4-2:すでにその道で圧倒的な存在がいる
 ◎Q4-3:誰も自分のことを見てくれない
 ◎Q4-4:違う世代の人と話や興味が合わない
 ◎Q4-5:周りの反応がない
 ◎Q4-7:実力をつけてからデビューしたい
 ◎Q5-1:もともと前に出るような性格ではない
 ◎Q5-2:努力しても結果が出ない


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2009年03月13日(金)更新

【久米信行新刊】Q5-2:努力しても結果が出ない

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Q5-2:努力しても結果が出ない
A5-2:基本は「大忍」、時々「天地人」の運と縁も見直す


 「いくら努力を重ねてもゴールが見えない」「結果が出ないとやる気がなくなる」


 せっかく「すぐやる技術」を駆使して挑戦したのに、ずっと努力を続けているのに、なかなか成果がでないこともあるでしょう。そんな時は、せっかく高まった気持ちも萎えてしまいがちです。

 私は、過去の経験から学んで「結果が出るまでの時間は、かなり長くかかる」と考えるようにしています。例えば、イノベーターに影響されて「いち早く始めたこと」なら、一通りできるようになるには3年、成果をあげて収穫するには10年かかると心しているのです。

 松下幸之助翁の言葉を借りるなら「大忍」の境地で、素直な心で成功するまで続けるということになるでしょう。

 しかし、気を持ち直すため、努力の効果を加速するために、「天の時」「地の利」「人の和」について定期的にチェックして、この3つの力を活用していく努力も重ねるといいでしょう。

1.天の時:今はどのステージにあり、何をすべきか?

 そもそも、努力を重ねるべき時と、努力しなくとも成果が出る時があるのです。もともと成果が出ない時に、それを悩んでいても仕方がないのです。ですから、まずは「天の時」を知る努力も必要です。
 
 例えば、新しいことを始めた場合は、前述したイノベーション普及学の観点で考えてみます。今はイノベーターやリーダー層にだけ普及していて、まだ一般の顧客層に知られていない段階なのか、それとも既に一般顧客層にまで十分に普及している段階なのかで、努力の仕方と成果の出方が変わってきます。まだ普及前の段階であれば、むしろ目先の成果を焦らずに地力をつけることが大切です。将来に向けて商品、サービスの開発や、新チャネル、パートナーの開拓を着々と進める方が、後々大きな収穫につながるわけです。

 また、自分一人の努力ではいかんともしがたい「景気の循環」についても考えて、新しい波に乗る必要があります。どんなにがんばっても景気の谷にある時には、成果が出づらいものです。こんな時に成果を急いで、悩んでいてもしょうがありません。本来は、次の上昇局面で大きな成果をあげられるように、水面下の努力を重ねるべき時でしょう。


2.地の利:自分たちの立ち位置はどこで、何をすべきか?

 いくら天の時が巡ってきたとしても、自分の所属する団体の業界上の地位や、そこでの立ち位置、担当業務や地位・役職が良くなければ、成果は得ることができません。そこで、「地の利」を知る努力も必要です。

 例えば、就職や転職を考えている人であれば、自分がやりたいことが実現でき、能力を最大限に生かせ、さらに将来稼げる潜在的な長所を持つ企業を知ることが第一です。その企業に入るためには、どうすべきか、ピンポイントの努力をすべきでしょう。

 また、既に企業に属している人であれば、社内で「自分にふさわしい場所」に人事異動できるための努力が重要です。それは、現在の部署で成果を挙げ、人事部に希望を出すだけではありません。忙しくとも積極的に社外の勉強会にも参加し、人脈を広げ、ネットでも発信をして、社外での評価と実績を勝ち得ることも大切なのです。それが、上司や同僚に認められるばかりでなく、経営陣の耳にも入るぐらいの努力をしたいものです。


3.人の和:次代を拓く人たちと、公私を超えた親交を結ぶ


 天の時、地の利に恵まれたとしても、実際に新しい風を起こすのは人の和です。どんな優秀な人でも、一人で成功できるほど世の中は甘くはありません。ですから、成果が出ない駆け出しの時、踊り場の時にこそ、社内外を問わず人の和を結ぶ努力が必要です。

 まずは、社外での師弟関係とパートナーシップ構築が大切でしょう。天の時にも地の利にも恵まれていない時こそ、師匠や先輩は「将来の夢に共感して行動しはじめる若者」を歓迎してくれます。そして、海のものとも山のものともわからない頃から一緒に勉強して、苦楽を共にした同志は、会社の壁を超えて良いパートナーになるはずです。

 さらに、社内で志を共にするチームビルディングをしなければなりません。まずは、今所属する部署で、最も上司や部下の話を最も真剣に聞く人になって、ファンを増やすことから始めましょう。同時に、将来の上司を選ぶべく、最も情熱と実力のある人に、自分のやりたい事を語り続けます。未来の同僚や部下を選ぶべく、同期会や社内のイベントでも、新しく起こりそうなトレンドと自社で打つべき次の手を熱く語る努力が大切です。


***

 つまり、努力には、自分一人でできる内面的な努力に加えて、自分だけではどうしようもない外面的な努力があるのです。ともすれば見失いがちな「天地人」の波を知り、その波に乗りながら新しい波を起こす努力をすれば、機運が高まるほどに成果を手にすることができるでしょう。 


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2009年03月12日(木)更新

【久米信行新刊】Q5-1:もともと前に出るような性格ではない

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Q5-1:もともと前に出るような性格ではない
A5-1:これからは内気なオタクがはじける時代


 「人前で話をするのが苦手」「プレゼンなんて面倒」


 認めたられたいとは思っていても、人前にしゃしゃりでるのは得意でないという人も多いでしょう。どんな時も目立つ事を厭わずに明るく振るまう同僚を見て、「自分とは違う」と思いつつ「うらやましい」と思ったことがあるかもしれません。

 しかし、心配は要りません。この10年間、私自身が認められてきたプロセスで、最も大きな役割を果たしたのは「ネット上での発信」だったからです。人前で堂々とプレゼンや講演をしなくとも良かったのです。言わば、慣れ親しんだ自分の仕事場や部屋に「引きこもって」リラックスしながら人づきあいをしてきたわけです。

 また、私が講師を勤める明治大学「ブログ起業論」で気づいたことがあります。いわゆる、明るくていつもグループの中心にいるような「お調子者」の学生は途中で脱落し、どちらかと言えば内気で人前で話すのが苦手な「オタクっぽい学生」が完走して、見違えるようなプレゼンターになるのです。

 人前であいさつもろくにできなかったような学生が、わずか1年足らずで別人になり、3分間の最終スピーチを原稿なしで7分も話せるようになるのはなぜでしょうか?

1.前に出る性格よりも、胸に秘めた「大好きなものやこと」が大切

 私が提唱している「ブログ起業論」は、1年間、自分の大好きなものやことを「ブログでPR=ネット行商」をし続けて読者を増やし、最後に「一番会いたい人=尊敬している企業経営者や有名人」に会いに行くというものです。ブログのテーマは、ラーメンであれサッカーチームであれ、はたまたアニメであれ、何でもかまいません。

 こんなに簡単で楽しく、また将来役立つプログラムは無いと思ったのですが、悲しい現実に特面しました。毎年の完走者は10人前後で、受講生が1/6に減ってしまうのです。

 学生にとって一番の難関は、「大好きなものやことがない、見つからない」ということなのでした。生まれつき多くの物に囲まれ、あふれる情報にさらされてきた反動かもしれません。物欲、食欲、性欲...すべてが希薄で無気力にさえ見えます。

 そんな中で完走する=伸びる学生は、人に言えない「大好きなものやことがある人=オタクっぽい人」なのです。つまり、本当は発信したい「ほれ込んだ何か」を胸の奥に秘めている人たちです。

 逆に、「先生好きなものが見つかりません」と言ってくる学生は、どちらかというと、人前でのコミュニケーションが得意そうに見える「前に出る性格の人」なのです。目先、楽しく過ごせるから、何か1つのものを味わいつくして「探求する心」が足りないのかもしれません。


2.ネットで発信して読者ができ、ほめられれば「人が変わる」

 心に好きなものがあれば、あとはそれを広く伝えて、仲間を作るだけのことです。インターネットが普及する以前なら、それは大変難しく、お金と勇気がいる事でした。

 しかし、私の教え子たちは、日本財団の公益サイトCANPANブログを活用して、無料で、わずか1時間ほどで自分のメディアを開設して発信を始めます。クラスやゼミの仲間には話しづらい趣味であっても、ひそかにブログで発信するなら緊張する必要は要りません。

 自分の周囲には同じ趣味の人を見つけられなくとも、ブログで日本全国に呼びかければ、必ず何人かは共感してくれる仲間が見つかるものです。たとえ数が少なくとも同志が見つかって読者になってくれる、さらにはコメントまでもらえるようになると、教え子たちは変わります。

 思い切って発信したことが認められると「自分は変わっているわけではない」「発信すれば興味を持ってくれる人がいる」と自信を持てるようになるのです。


3.好きなものを発表するから素直に学べて、場数を踏める

 次の難関は、人前の発表です。私の講義では、2週に1度は、自分のブログ=好きなものやことについて発表します。もちろん、最初はしどろもどろです。

 しかし、意外にも身近なクラスメイトの中にも、自分の趣味に興味を示してくれる人、受け入れてくれる人がいることを、発表者は実感します。お互いの隠れた趣味を語り合うような、深いコミュニケーションをしていない学生も多いので、新しい発見があって面白いのかもしれません。
 
 さらに、講師の私が、彼らのブログを講義で絶賛します。たとえどんな趣味であれ、1つのことを究める「オタク気質の人」を敬愛しているからです。私も真摯な興味をもって、ひとり一人の世界を味わおうとします。 

 すると面白いもので、どんな人でも「好きなものごとを、わかってくれそうな人に話す」時には「言葉に力が生まれる」のです。うわべだけのプレゼン上手の言葉が、空しく聞こえるほどです。

 あとは、細かいテクニックを身につけつつ、場数を踏んで洗練させればいいだけです。毎回の私の講義や、友人たちの発信や発表から学んでいけばいいでしょう。

 自分を発信する拠点であるブログを充実させたい、発表でもっと深く伝えたいと思えば成功です。コミュニケーションが苦手だと思っていた人ほど「素直に粘り強く学ぶ=成長する」のは不思議なことです。

***

 インターネットで気兼ねなく発信でき、しかも十人十色で「好きなものごとを持つ人」が珍重される現代。この時この場に生まれた私たちは幸せです。「前に出る性格」がなくとも、十分に「認められる」ことができるからです。自分の好きなものやことを静かに発信し続けるうちに、気がつけばプレゼンやコミュニケーションが上手になるのです。


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2009年03月11日(水)更新

【久米信行新刊】Q4-7:実力をつけてからデビューしたい

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Q4-7:実力をつけてからデビューしたい
A4-7:いつでも実力以上のチャレンジが自分を磨く


 「まだ自分には挑戦する資格がない」「勝てそうになってからデビューする」


 既に実戦で活躍している先輩やライバルの実力と、今の自分を見比べると、どうしても尻込みしがちです。もうちょっと勉強して、経験を積んでから、新しい挑戦をしたいと思うのも無理ありません。

 しかし、そんな想いをいただいていては、せっかくの実力を伸ばすチャンスを逃してしまいます。

 私が、これまで見舞われてきた「プチ修羅場」の数々は、単に景況が悪いという逆境だけではありませんでした。常に、私にとって「一見できそうもないこと」さらには「まだスキルが身についていないこと」に向き合って格闘しなければならなかったのです。

 今、考えれば、こうした無茶にも思えた「背伸びしたチャレンジ」こそが、予想もしない自分の潜在能力に気づき、伸ばしていくための貴重なきっかけだったのです。

 だからこそ、「自分には早過ぎる」と思ったときこそが、むしろ挑戦する「絶好の機会」なのです。

1.実力よりちょっと上の挑戦が自分を磨くのに役立つ

 もし、今の実力相応、さらにはそれよりも簡単な仕事ばかりを繰り返していたら「飛躍的な成長」はあり得ません。かといって、いきなり実力の数段上のことをしても大失敗をしそうですし、学ぶこともなくただ落ち込むことは見えています。

 ですから、実力よりもちょっと上の厳しい環境、程よいストレスやプレッシャーに見舞われる挑戦こそが、自分を伸ばすのに最適なのです。

 最初は「ちょっと難しい」ことからチェレンジしていくうちに、それも「やさしすぎたこと」ことに気づくでしょう。そうしたら「かなり難しく見えること」ぐらいが自分を成長させるのに「ちょうどいい難しさ」だと「良い加減」がわかるはずです。

 まずは毎日の反復練習で3ヶ月でできるようになることから始めて、次に1年でできること、3年でできることと組み合わせるのがお勧めです。


2.始めるべき好機は、二度と回ってこないこともある

 実力をつけてからと「自分の都合」で考えていても、幸運の女神は一個人の都合を配慮するほど優しくはありません。「天の時」と言われるように、今始めなければ時流に乗れないことも多いのです。

 例えば、1995年のインターネット勃興期に、私はniftyのすすめでホームページを作ってはと勧められました。この時、何の知識も無い中で見よう見まねで自分で作らなければ、今の私は無かったのです。

 また、会社組織の中での人事上のチャンスも、一度しかやってきません。日興證券では、上司に期待されて「相続診断のAIシステムを作れるか」と言われた私は「できます」と即答しました。もし、そこで「できない」と答えていたら、永遠に私にチャンスは回ってこなかったでしょう。


3.実戦デビューして恥をかいた方が勉強や練習をする気になる

 恥ずかしながら、webサイトを作る時はHTML言語の、相続診断システムを作った時は税制とAIの知識が、ほとんどありませんでした。「やります」「できます」と言ってから、大型書店に走って本を買いあさって勉強をしたり、様々な講演会や勉強会に足しげく通ったりしました。

 もちろん、簡便な画像処理やプログラムの知識はありましたし、ゲーム制作の実体験はありました。それでも、任された仕事は、新しい知識がなくては解決できない「応用問題」だったのです。

 未体験の新しい勉強にすぐに取りかかれたのはこれも、具体的に完成期日と求められる成果というゴールが設定されたからでしょう。「私が動かなければ何も進まない」という厳しい現実に跳び込んだからこそ、ふだんとは桁違いのペースで勉強が進んだのです。


4.実力がつくと目も肥えてしまい、また二の足を踏む

 実力がついたら挑戦できると思ったら間違いです。人間はうまく作られていて、実力がつくと同時に目も肥えてきます。

 残念ながら、もっと優れた人や、困難な点まで見えてきてしまうので、挑戦する前の恐ろしさは前と変わらないわけです。それどころか、実力が上がっているにも関わらず、先送りすればするほど、目が肥えて怖くなることさえあるのです。

 これが、常に「ちょっと上に挑戦し続けて」いる人の場合は、目が肥えたとしても「世界の見え方」が変わってきます。

 「一見難しそうに見えてきたけれど、何とかクリアできた。やればできるものだな。しかし、上には上がある。また新しいハードルが見えてきたぞ。もう一丁、上ってみるか。」

 同じような人が、同じように実力を伸ばし、同じように目が肥えたとしても、この見え方の差は、行動の差につながります。そして、両者の距離は広がるばかりなのです。


5.いつかできるイメージより、今すぐやっているイメージが大切

 業種職種、企業規模を問わず、楽しそうに仕事をしながら求める成果を挙げている縁者は数多くいます。厳しい環境に見舞われても、公私ともに生活は充実して、次々に夢を実現しているように見えます。

 そんな達人縁者たちと話をしているといつも不思議に思うことがあります。

 一般的には、「いつか、○○になったら、○○をやりたい」と、ゴールを遠い将来に置いて、何か条件を満たしたら夢をかなえたいと考える人が多いでしょう。例えば、「いつか、お金を貯めて、仕事が一段落したら、世界一周をしたい」と言った具合です。いわば、「いつかできるイメージ」を抱いているわけです。

 しかし、次々に夢をかなえている(ように見える)人は、ちょっと違うのです。

 「気がついたら、○○をすぐやるはめになり、結果として○○になって今が楽しい」と、まさに「見る前に跳んだ」結果、思いがけず夢に近づいたり、予想もしない楽しさに気づいたという感じなのです。いつかやりたい遠い夢よりも「今すぐやっていること」が楽しくて大切なのでしょう。

 そう言えば、今の私も同じかもしれません。

 「気がついたら、Tシャツメーカー経営者が大学講師をするはめになった。最初は学生の無気力に悩んだが、すぐやる技術・認められる技術について再考する好機となり、思いがけず本にできた。その結果、予想もしない出会いが広がって、人生が豊かになって驚いている。楽しい!」

***

 ですから、「実力がついてから挑戦」ではなく「まずは挑戦して実力を伸ばす」ことが大切です。「すぐやる本能」を甦らせて、「ちょっと上のことを追いかけ続ける」ことこそ、本来の自分を輝かせる早道なのです。

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 ◎Q4-3:誰も自分のことを見てくれない
 ◎Q4-4:違う世代の人と話や興味が合わない
 ◎Q4-5:周りの反応がない
 ◎Q4-6:状況(世間)が悪すぎる


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【久米信行新刊】Q4-6:状況(世間)が悪すぎる

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Q4-6:状況(世間)が悪すぎる
A4-6:見方を変えれば悪い状況こそチャンス


 「世の中の景気が悪過ぎる」「こんな時期に何をやったって無駄」


 いつまでも続く好景気や株高・土地高などありません。10年に1度は、不景気に見舞われたり、仕事の進め方を一変するような構造変化に直面すると心得ておくべきです。

 私は、ゲームソフトメーカーに入って途端に第一次ファミコン黄金期が終わり、証券会社に入ったらバブルが崩壊し、Tシャツメーカー経営者になると輸入攻勢と貸し渋りに見舞われました。まさに、「状況が悪過ぎる」中でビジネス半生を過ごしてきました。しかし、だからこそ、知識も見識も磨かれ、安穏と暮らしては身に付かない能力を備えることができたと実感します。

 誰しも、人生の中で何度かは悪い状況に見舞われます。問題は、そんな逆境に対峙した時の心構えと行動力なのです。そこで腐って何もしないか、チャンスと考えて飛躍のバネにするのかで、状況が好転した時の成長に大きな差が出てしまうのです。


1.投資コストが下がってチャンス


 私はバブル崩壊を証券会社で味わって多くを学びましたが、今回のサブプライムショックを見ていて、また繰り返すのかと不思議に思うことがあります。誰もが株や土地に浮かれている時は、実は高コスト高リスクです。それなのに多くの人は気づかず、結果として大きな損失を受けました。反対に、株安土地安がとことん進んで、誰も買い手がいなくなった時は、ひそかに低コスト低リスクなのです。しかし、そんな今、積極的に投資をする人は限られるのです。

 これは資産運用に限りません。不況時こそ、ふだんは買えない名品、食べられない美味などを味わって感性を磨くこともできます。また、海外や国内を割安で旅するなど見聞を広めることもできるでしょう。普段の倍もお金の使い出がある時期に、みんなと一緒に倹約して、大切な自己投資までやめてしまっては、ライバルに差を広げるチャンスを生かせません。


2.世代の新旧交代が進んでチャンス


 悲しいかな、不況に見舞われた企業では抜本的なリストラを余儀なくされることも多々あります。経営陣の交代と高給の中堅社員以上の希望退職が進むケースがほとんどですが、これは世代の新旧交代を意味します。

 言い換えるなら、若い世代の社員が、より責任のある役職について大きな仕事を任されることになるのです。目先の不況やボーナス・給料のカットを嘆くよりも、第一線で活躍できるチャンスを喜ぶべきでしょう。


3.変革ムードが高まり新規事業のチャンス

 好況の時には、放っておいても既存事業や商品が十分な売上と利益を稼いでくれるので、どうしても現状維持の傾向が強くなります。一方、不況になると自ずと危機意識が高まって、成熟した事業や商品の撤退が始まります。

 その一方で、会社の存亡をかけて、次なる成長分野に向けて新規事業や新規商品の開発に拍車がかかります。保守的な企業であっても、自分を成長させる新しい挑戦に立ち向かえるチャンスが高くなるのです。


4.人が余って競争で自分を磨くチャンス

 事業が収縮して人が余った場合や、不況の最中で就職や転職を考える場合は、競争が高まります。しかし、バブル時に売り手市場で就職した社員と、バブル崩壊後に買い手市場をくぐり抜けて就職した社員の「意識や質が大きく違う」というのは、よく言われる経験則です。

 つまり、競争を常に意識して若い時期をくぐり抜けるのは、厳しいながらも底力をつけるのに役立つわけです。この力の差が、人生の中後半で有利に働くわけです。不景気の人余りは、目先は厳しいのですが、長い目で見れば自分を磨くチャンスだと考えましょう。


5.人が足らないので多能工になるチャンス

 逆に、不景気の真っただ中では、固定費削減で必要以上に社員が減り、新入社員や部下に恵まれないこともあります。そうすると、1人で2人分の仕事をしなければならないことも少なくありません。

 ここで、部下がいない、残業が多いと嘆いていても仕方がありません。むしろ、多能工になってスキルが磨けるばかりか、仕事全体の見通しが効くようになることに気づきましょう。さらに、守備範囲が広くなる分だけ社内外の接点も増えて、ネットワークも広げることができます。人手不足は自分を磨くチャンスだと前向きにとらえましょう。

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久米 信行 網縁作務処
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ブログ起業論講師@明治大学商学部 
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